箕面で整体・骨盤矯正なら「健寿の森整体院」

整体に関連する分野は、似たような言葉・概念が飛び交っています。

特に、広い意味で流布している単語の一つに「マッサージ」があります。

本来は医学用語なのですが、家庭における肩たたきなどもマッサージの一種として一般的に理解されていることから、マッサージが専門技術であることを知らない人は非常に多いです。
これは整体業についても同様で、マッサージという言葉自体をメニューに加えていなくても、ポータルサイトではひとまとめにして紹介されているケースは往々にして存在します。

そこで、紛らわしいマッサージという単語の意味について、整体業でどのように用いられているのかも含め、厳密な違いについてまとめてみました。

一般的な「マッサージ」という単語のイメージと、本来の意味

まず、マッサージという単語にはどのような意味があるのか、一般的なイメージと本来の意味とを対比させて考えてみましょう。

現代において、身体をもみほぐしたり手でこすったりする行為は、マッサージを生業にするお店以外でも施術の一つとして行われるようになりました。
具体的には、脱毛サロンやエステサロン・タイ古式マッサージのようなエスニック要素を取り入れたマッサージなどです。

いつしか、マッサージの施術が一般的になるにつれて、家族の肩や腰をもむ行為をマッサージと呼ぶようになりました。
しかし、そもそもマッサージという行為は、あくまでも医学的な意味合いを持つ行為です。
オイル・パウダーなどの滑剤を使って皮膚から筋肉をほぐしていく手法であり、病気の予防や治療、健康維持目的で行われます。

特定の病気に対応するために行われる施術とは限らず、スポーツや運動時の前後にも行われ、筋肉の緊張をほぐします。
その他、筋肉痛の緩和・排便の促進・眠気を誘うなどの効果を期待して行うことが多い施術です。

比較的気軽に行える行為で、リハビリの現場でも用いられますし、セルフマッサージの方法などが書籍として出版されている例も多いです。
そのため、よくも悪くもマッサージという言葉は独り歩きし、マッサージや整体業などに携わる人にも少なからず影響を及ぼしているのです。

どのような経緯でマッサージは広まったのか

マッサージ自体の歴史は古いもので、古代ギリシャの医師だったヒポクラテスは、マッサージ技術の習得を奨励していたと言われています。
本格的に医療の現場で見直されるようになったのは16世紀後期のこと、フランスの医師アンブロワーズがマッサージの効能を研究し始めたことに端を発します。

マッサージに関する研究はその後も進み、スウェーデンでもパー・ヘンリック・リンがスウェーデン・マッサージの基礎を作り上げ、ヨーロッパ全土でマッサージの概念・技術が広まるようになります。
日本では明治時代になると、軍医の橋本乗晃がフランスのマッサージを視察するようになり、医療法の一つとして導入されるに至ります。

マッサージに関する法律は日本でも施行されており、あん摩マッサージ指圧師免許もしくは医師免許(共に国家資格)がなければ、日本においてマッサージを業として行うことはできないものとされています。
その反面、日本における法律の中で厳密に技術が定義されているわけではなく、それがかえって日本国内における「マッサージ」という単語の柔軟な解釈を生んでいるものと推察されます。

マッサージの基本となる概念「軽擦法」

ヨーロッパにおける主流となったマッサージ方法は、スウェーデン・マッサージです。
クラシックマッサージとも呼ばれ、フルマラソンのゴール地点で疲労回復に用いられることもあり、スポーツマッサージとして認知されています。

スウェーデンは寒い国であることから、少なめのオイルを使って適度な摩擦を使ってマッサージを行います。
血流を促して体温を上げ、自己治癒力を高める手法として、とにかく身体を温めることを念頭においたマッサージなのです。

日本式のマッサージにおいても同様の概念・手技があり、一般的に「軽擦法(けいさつほう)」と呼ばれ、基本でありながらもっとも重要な技術とされています。

基本的な技術としては、手のひら・親指・二本指・四本指など、必要に応じた指の本数で患部に密着させ、背骨にそってまっすぐ上下に軽く擦るように動かしていきます。
手と背中との摩擦によって皮膚の温度を上げることにより、血液の循環を改善して新陳代謝を促進するねらいがあります。

このとき、手のひらを患部の皮膚に密着させたまま、心臓に向かう形で皮膚を直接刺激します。
よって、血液・リンパ液の流れを改善する目的で行われる手法と考えてよいでしょう。

もちろん、使用する指の本数に応じて、マッサージできる箇所にも違いがあります。
親指だけを使うなら局所的な場所にマッサージを施せますし、頭部であれば親指以外を使って行うことになるでしょう。

いずれにせよ、強くもみこむイメージではなく、さするイメージがマッサージなのです。

整体ではマッサージをする?

マッサージという単語の意味が大きく解釈されていることから、どうしても整体院と聞くと少なからず「マッサージが行われる場所」であると理解している人が存在します。
ただ、厳密にはそれは違います。

あくまでも施術の一環としてマッサージを「取り入れる場面がある」に過ぎないのであって、決してメインではありません。
また、整体師のレベルによってマッサージという単語の解釈にも違いが生じます。

にもかかわらず、多くのポータルサイトでは、整体とマッサージを同列に扱って紹介しているところが多く見受けられます。
これでは誤解を招いてしまうのも当然で、本来の整体の意味からは遠ざかってしまうのです。

まず、一般的な整体の概念をお伝えすると、体を支える中心となる骨盤や背骨を整え、骨のズレなどを矯正することによって筋肉のコリや疲労をほぐし、体全体のバランスを整える技術全般のことです。
マッサージは表面的な施術であり、身体の内部に働きかける部分は限定的です。

しいて言えば、血液やリンパ液の動きを活発化することが目的ですから、循環の面で働きかける要素が多いと言えるかもしれません。
整体の施術も、総合的な目線で見れば身体全体の血流が改善されるように行われるため、例えばねんざの回復が早まるといった状況は十分考えられます。

また、マッサージと整体の大きな違いとして、局所的か総合的かという違いがあります。
手技を用いるのは同じでも、身体全体を俯瞰して施術を行うのか、局所的にケアを行うのかに分かれています。

マッサージを行うことで、別の部位に何らかの問題を認めるケースは稀です。
しかし、整体の技術であれば、現段階で自覚症状のない箇所を事前に発見することができますし、具体的に悪化させないために何ができるのかを未然に把握することも可能です。

整体についてまとめると、痛みを発症している箇所だけではなく体全体のバランスを整え、体の痛みが緩和されることはもちろんのこと、痛みの再発を防いだり、遅らせたりできるという特徴があると言えるでしょう。
この点が、マッサージ単体と比較したときの大きな違いです。

マッサージに似た概念を持つ業種も増えてきている

現代においては、日本でもマッサージに似た概念を持つ業種が増えてきており、整体業と親和性を持つものも少なくありません。
しかし、それらを大ざっぱに全てマッサージに類するものとして考えてしまうと、本質的にまったく違うものもあるため注意が必要です。

ここでは、マッサージという名称がつくもので、解釈がやや異なるものをいくつか挙げていきたいと思います。

クイックマッサージ

マッサージを行う点では意味に違いはないものの、時間的な面で短時間で行われるマッサージを指します。
時間も短く、10~15分という時間で済みます。

血流改善効果を期待するというよりは、リフレッシュ目的で行われるニュアンスと考えておくとよいでしょう。

スポーツマッサージ

意味するものが多い言葉の一つで、スポーツ選手の動きをケアするためのマッサージです。
運動前後のケアに用いられるもので一般的にストレッチは含まれませんが、巷にはストレッチ専門店もあることから、その概念は次第にゆるやかな解釈になりつつあります。

ちなみに、スポーツマッサージというジャンルで独自のマッサージ方法が確立されているわけではありません。

エステマッサージ

エステサロンなどで施術に伴い行われるマッサージのことを指します。
サロンで勤めているあん摩マッサージ指圧師が、何らかのタイミングで施術するケースを多く見かけます。

狭いジャンルとしては、エステの一環として行うフェイスマッサージというものもありますが、こちらはエステマッサージの一種と考えてよいでしょう。

アロママッサージ

香りの力を併用したマッサージで、リラクゼーション目的で用いられます。
国外の技術を用いたマッサージなどで、日本でも広く知られるようになりました。

エステで用いられることもあります。

足ツボマッサージ

リフレクソロジーなどの名称でも知られ、足裏のツボや身体の各部位の反射区を刺激するマッサージとなります。
主に、身体の各部分に反応する足の反射作用を利用したマッサージで、手と指による足底への刺激を身体の各部に反射させ、身体の恒常性を保たせようと試みるものです。

指を使って刺激する方法もあれば、道具を使って強く刺激する方法もあります。
人によっては痛みに耐えられず、嗚咽をもらすケースも珍しくありません。

おわりに

以上、整体とマッサージについて、概要やそれぞれの違いに触れてきました。
整体は身体全体を整える意味で行われるのに対し、マッサージは局所的な不良を改善するための方法だと理解しておくと、誤解が少ないかもしれません。

また、一口にマッサージと言っても、細かい話をすればジャンルもいくつか分かれていきます。
とはいえ、基本的には摩擦を中心とした施術による血行・リンパ改善などが目的であり、痛みではなくコリが強い状態ならば整体よりも気軽に受けられるかもしれません。

ただし、コリが生まれるということは、何らかの形で身体のバランスが崩れているということでもあります。
どうも肩だけでなく、身体全体が重だるい気がする……という方は、まずは一度お越しください。

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