箕面で整体・骨盤矯正なら「健寿の森整体院」

当院には、脊柱管狭窄症につき病院に行っても症状が改善しなかった、という患者さんの来院が比較的多く、その中で様々な療法について話を聞くことがあります。
多くの場合、保存療法・投薬を経て、それでもダメなら手術……という流れになっていくのですが、中には「温泉療法」のような、古くから伝わってきた方法が現代の医療で見直されたものもあります。

もともと、温泉が身体に良いことを訴える歴史の偉人は多く、戦国時代に負傷兵が傷を癒したり、ドイツの医師であるエルヴィン・フォン・ベルツが草津温泉の効能を高く評価していたりと、温泉療法の下地になる共通理解は日本に存在していました。
今回は、温泉や温泉療法・脊柱管狭窄症の改善に役立つ泉質の選び方・効果などについて、個人の視点で考察してみたいと思います。

どんな療法でも、劇的に改善するかどうかは個人差がある

最初にお伝えしなければならないこととして、整体も含めどんな療法であっても、症状が劇的に改善するかどうかは個人差がある問題です。
よって、脊柱管狭窄症も温泉療法だけで改善するとは限らないのですが、何らかのよい効果を体感している人も一定数存在するため、少し掘り下げてみましょう。

温泉療法は、医師による改善例が報告されているものの一つ

温泉療法は、温泉について古くから効能が歴史で語られているだけあって、医師による改善例もいくつか報告されています。
一例を挙げると、岡山大学医学部の医師による、温泉療法の臨床効果についての研究が行われた際、自覚症状・他覚所見・日常生活の全てにおいて温泉療法による変化が見られたという結果が出ています。

現代でも、水中運動療法・温熱療法の組み合わせとして、温泉を使っているケースは見られ、リハビリを温泉で行う病院もあります。
湯治の習慣が残っている温泉も存在し、やはり日本人にとって温泉は切り離せないものだという印象を与えます。

個人レベルで温泉を利用する場合、ペース配分に注意

脊柱管狭窄症は、病院に行っても改善しないと話す人も珍しくなく、中には自分が改善した体験談をブログやWebサイトで公表している人がいます。
もし、体験談を参考にする場合、決して鵜呑みにしないようにしましょう。

特に、入浴が身体にいいからと言って、入浴ペースを増やすのは、かえって逆効果になるリスクがあります。
不整脈のような持病を持っている場合、そちらが悪化するケースもあり、十分に注意が必要です。

当院でも、適切に用いる限り、決して誤った方法とは言わない

当院で行う施術の目的として、施術により血行を促進することで、回復を早めようとする側面はあります。
よって、温泉療法自体に否定的な考えはありません。

ただ、温泉によって症状が改善される状況というのは、あくまでも「ある人のある症状」に限って言える話であって、その人の身体の状態を知らずにおすすめできるわけではありません。
急性症状には逆効果に働きますし、あまりに熱すぎても問題があります。
適切な温泉の利用が求められるのであって、その点は専門家の意見を仰ぐことが大切です。

温泉の効果と主な泉質について

脊柱管狭窄症に限った効果のある泉質は、当院で知る限り見つかっていません。
温泉の効用は汎用性が高く、部分的に神経に効くような要素があるわけではないため、はっきりと「脊柱管狭窄症向け」と表記しているところを見かけることは少ないはずです。

しかし、一般的に考えられる効果だけでも、十分利活用する価値はあることから、基本的なメリットや泉質・管理状態などの確認ができる知識を備えておくと役立ちます。

温泉につかることのメリット

脊柱管狭窄症の症状改善という目線から考えると、やはり心身を温浴でリラックスさせる効果が挙げられます。
自宅よりも風呂場が大きい分だけ、身体の自由度も高くなるでしょう。

また、特定の病気に効果がある成分を持つ温泉であれば、入浴時間・入浴ペースに配慮する限り、症状の改善が見込めるかもしれません。
精神的リラックス効果も高く、温泉を禁忌とする症状がない限りは、有効に活用して差し支えないでしょう。

一部の特殊な泉質を除いては、全国各地に温泉があると考えてよい

日本は温泉大国であり、実に様々な泉質があります。
単純泉や塩化物線については、多くの地域で新たに温泉施設が立ち並び、スーパー銭湯化しているところもあります。

つまり、一部の特殊な泉質、例えば放射能線や硫酸塩泉などを除いては、全国各地で温泉の恩恵を受けられると言っても過言ではありません。
実際に温泉施設で紹介されている効能が得られるかどうかは分かりませんが、少なくとも入浴の機会は多いものと考えてよいでしょう。

あえて泉質で選ぶなら、自分が寒がりであることを自覚している人は、できるだけ身体を温める効果の高いものを選びたいところです。
具体的には、塩化物泉・硫酸塩泉などが該当します。

注意すべきなのは、温泉の温度の話ではなく、あくまでも成分の問題ということです。
理想的な温度としては概ね38~40℃で、それ以上の温度になると、炎症に逆効果をもたらす可能性もありますから注意しましょう。
あくまでも、温浴による肉体の緊張緩和を目的として、温泉を活用することが大切です。

温泉の管理状態は重要

温泉の効能を最大限享受するのであれば、温泉の泉質はもちろんのこと、管理方法にも注目したいところです。
温泉施設では、源泉かけ流し・循環ろ過など、様々な方法で泉質を管理していますが、その泉質に応じて適切な管理方法は変わってきます。

例えば、お湯の質が硬い温泉を浴槽に掛け流しにしてしまうと、浴槽下部に冷たい温泉成分がドロドロと沈殿してしまい、人が入るには冷た過ぎるお湯になってしまう場合があります。
他にも、入浴するには温度があまりにも高すぎる温泉を水で冷ました時に「加水」と表示されたり、温度を調整するための循環が衛生面を考えた循環と勘違いされたりするケースもあるため、お湯がどのように管理されているのかをチェックすると確実です。

脊柱管狭窄症以外の症状を患わないためにも、泉質以上に管理状態を確認しましょう。

温泉に入るなら気を付けたい!健康に温泉浴を行うためのルール

ここからは、温泉に健康的に入浴するためのルールについて、いくつかご紹介します。
専門の施設で温泉療法を行うのが難しく、自分で温泉に通うことを考えている人にとっては、これらを心がけるだけでも健康を害するリスクが減るはずです。

食後すぐの入浴は避ける

食事をした後は、消化のために血液が消化器官に集中しますから、仮に食後すぐに入浴してしまうと、血液の循環がおかしくなり、食べ物の消化・吸収に影響を及ぼします。
できるだけ、食後1時間以上が経過してから、入浴するようにしましょう。

ちなみに、入浴前の飲酒も同様で、飲酒後に酔いがさめてから入るようにします。
これは、飲酒直後に入浴すると、血液を循環させることでアルコールが回ってしまうからです。
人によっては血圧が急激に下がることもあり、大変危険ですから、絶対に止めてください。

入浴はルーティーンをしっかり守る

入浴する際は、できるだけ身体に負担をかけないよう意識します。
できれば、以下にご紹介するような、自分なりのルーティーンを設けるとよいでしょう。

まず、入浴する前には十分なかけ湯をします。
身体の汗を流すエチケットの意味合いもありますが、身体をお湯に鳴らすことで、お湯の温度・泉質に身体を慣らすことが目的です。

次に、半身浴から始め、その後手足をゆったり伸ばし、浴槽の縁を枕のように使って、浮いた姿勢で入るようにします。
この時、こまめに手足を動かすようにすると、身体の緊張がほどけます。
もちろん、周囲の迷惑にならない範囲で動きます。

長湯する場合は、汗が流れるほどの長湯をしないようにします。
水分補給をこまめにできる環境なら問題ありませんが、脱水症状を起こさないよう心がけます。
どうしてもお湯の温度が高い場合は、「3分入り、いったん出て5分休む」のルーティーンを3回繰り返しましょう。

お風呂から上がったら、しっかり身体を冷まし、汗をかいてしまったら乾いた衣服に着替えます。
水分補給し、休息は静かにとり、少しずつ身体がもとの状態になるのを待ちます。

旅行中に入浴する際の注意点

もし、旅行先で湯治のつもりで温泉に行くなら、入浴時に注意したい点がいくつかあります。
それは、旅行のスケジュールを詰め過ぎないことです。

車を運転して旅行に行くなら、運転するにせよ同乗するにせよ、脊柱管狭窄症の症状に悩まされるおそれがあります。
目的地まで休憩なしで一気に運転しようとすると、おそらくは痛みに悩まされるはずです。

長距離になればなるほど、身体には負担がかかりますから、せっかく入浴しても体調が改善しないまま運転を続けることになるおそれもあります。
バスや電車になると、より揺れの影響を受けやすくなるため、遠くの温泉より近くの先頭を意識することが大切です。

また、高齢者が入浴する場合、必ずそばに誰かいることが理想です。
1人で入ることはせず、2人以上で入浴し、何らかのイレギュラーが発生した場合に備えましょう。

温泉旅館・ホテルなどでは、朝風呂の時間を設けている場合があります。
しかし、車を運転する場合、出発前の入浴は避けましょう。
リラックス効果による注意力散漫に加え、一度リラックスした身体が緊張感を取り戻すのは難しく、運転疲れがより鮮明に出やすいためです。

せっかく身体をほぐしたのに、それ以上に疲れを感じてしまうと、脊柱管狭窄症の症状の体感にも少なからず影響が出るリスクがあります。
メリハリを付けて入浴を楽しみましょう。

おわりに

本格的に専門家の指導にゆだねて温泉療法を行う場合を除き、温泉の入り方には気を付けたいところです。
坐骨神経痛もそうですが、症状の根本的な解決を目指すためには、温泉での緩解だけでは不十分だからです。

ただし、温度は低めで身体が温まりやすい温泉であれば、身体に負担をかけることなく、緊張を解きほぐす効果は期待できます。
泉質の効果をしっかり享受したいのであれば、泉質自体の効能だけでなく、温泉の管理にも目を向け、身体に負担をかけない入浴を実践することが大切です。

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