箕面で整体・骨盤矯正なら「健寿の森整体院」

人間の三大欲求の一つに「睡眠欲」が挙げられます。
よく眠ることは明日の健康を作る活力を作り、心身の健全さを保ちます。

しかし、脊柱管狭窄症の症状が深刻化すると、痛みにより熟睡することが難しくなります。
芸能人の宮川大助さんも、脊柱管狭窄症に悩まされた人の一人ですが、手術を受ける前は痛みから起き上がることさえ厳しい状況だったようです。

根本的解決のため、何らかの施術を受ける・エクササイズすることは大切ですが、十分に休息ができなければ、身体の回復が追い付かなくなります。
今回は、睡眠時の症状緩和に役立つマットレスの選び方について、S字カーブの機能に触れつつご紹介します。

人間の身体の構造は、知れば知るほど不思議に感じられる

進化論によるものなのか、それとも神のみぞ知るものなのか、人間の身体の構造は非常に複雑で、知れば知るほどその仕組みが不思議に感じられます。
身体の一部が欠けても生きていける部位がある一方で、ほんのわずかな狂いが全く別の場所にダメージを与えてしまうわけで、その点が施術にあたる立場としては面白いところでもあり、つらいところでもあります。

特に、生理的湾曲(S字カーブ)は、その根拠を理解していると、本当に人間を最初に生み出した存在は非常に芸術的かつ合理的だと思います。
まずは、このS字カーブの不思議から、脊柱管狭窄症の原因を紐解いていきましょう。

なぜ、人間の背骨は「S字カーブ」をしているのか

人間の身体は、頸椎は前に湾曲し、胸椎は後ろに湾曲し、腰椎は前に湾曲していて、さながらS字を模したような背骨によって身体を支えています。
これは、重たい頭が一番上にある上半身を、下半身の二本足で支える姿の人間にとって、体重を分散する意味で最も合理的な構造になっています。

仮に、背骨がまっすぐの状態で人間が進化した場合、骨盤にかかる力は10倍になるとも言われ、骨盤の大きさまでもが2倍に変わると考えられています。
それだけ、頭が人間にとって生きる意味で重要なものであり、そのしなやかな形状にもきちんと意味があることを知った時、驚かざるにはいられません。

頭だけでなく、身体全体にとっても重要

S字カーブが人間の骨格に採用された理由(そのように進化した理由)として、頭を守るためだけでなく、身体の様々な部位を守る意味もあると考えられています。
具体的には、脊髄・内臓・神経を守る働きをしており、脳の命令をしっかり身体に伝える役割を担っています。

脊髄は、脳と全身をつなぐ通信回路として、非常に大きな役割を果たしています。
脳を生命体とした時に、脊髄がしっぽの役割を担っており、脊髄から神経は臓器・筋肉・表皮へと枝分かれしているのです。

また、背骨にあるカーブは、内臓の位置を最適にする意味も持ちます。
腎臓を例にとると、腎臓の働きは、心臓の血圧を借りて尿を作ることですが、仮に背骨がまっすぐになったら、腎臓を支えられなくなり血圧が上がります。
すると、腎機能に障害が発生する可能性があります。

神経としては、自律神経が背骨の中を通っているため、ここがぐらつくと生活リズムを正常に保てなくなるおそれがあります。
これだけ多くの役割があるため、背骨に何らかの異常が発生した場合・すなわち脊柱管狭窄症などの症状に悩まされている場合、もはやそれは全身の問題とさえ言えるのです。

背骨が直面する「前かがみ」問題

脊柱管狭窄症の痛みを和らげる方法の一つとして、腰を反らさず前かがみで動くというものがあります。
これは確かに当面の痛みは軽減できるかもしれませんが、身体の状態が一気に変わってしまうため、その後多くの問題を引き起こします。

まず、首の骨がカーブを保てなくなるため、ストレートネックの原因となります。
いつも前かがみになることで、背中がまるまり猫背になります。
やがて腰椎も硬直し、つま先で身体の中心を支えることにつながります。

積み上げ方を間違えたジェンガのごとく、次第に身体がいびつなバランスの保ち方をするようになると、無理を抱えた身体は各部位が悪化してしまいます。
これを修正するには、正直一朝一夕では難しいでしょう。

脊柱管狭窄症は、痛みの軽減より自由度の高さを考えてマットレスを選ぶ

S字カーブは、原則として「立っている状態」の脳や上半身を支えるための構造ですが、実は寝ている時にバランスを崩すケースもあるのです。
そして、脊柱管狭窄症の痛みを抱える人がマットレスを選ぶ場合のポイントとして、いかに「S字カーブを崩さないか」という点に注目して選べば、少なくとも症状の悪化要因の一つを取り除くことができるでしょう。

ポイント1:体圧分散

人間の寝相は、基本的に仰向けというイメージですが、これは個人差がある話です。
横向きで寝る人・うつ伏せで寝る人・頻繁に寝返りを打つ人など様々です。

ただ、身体の部位にかかる負担はまちまちで、日本睡眠科学研究所の研究では、仮に仰向けの状態で寝た場合、以下のようなパーセンテージで体圧がかかることが分かっています。

・頭部に8%
・脚に15%
・胸の後ろに33%
・腰に44%

圧倒的に、胸と腰に圧がかかっていることから、マットレスの反発力が均等になっていると、仰向けの場合は背骨のS字カーブを保って寝られないことになります。
よって、この体重の圧力を適度に分散し、S字カーブを保って睡眠を確保できるよう、商品設計が工夫されているものを選びましょう。

ポイント2:寝心地のよさ

体圧を分散できる構造になっていたとしても、マットレス自体の寝心地に満足できない場合、それがストレスとなって蓄積される可能性があります。
具体的には、ハネ感や反発力だけでなく、湿気・臭いといった、マットレス本来の機能性とは直接関係がないところも含まれます。

人間の痛覚というものは、思いのほか心理的・社会的ストレスの影響を受けます。
極端な話、夫婦喧嘩や上司の叱責で働きがおかしくなることもあるのです。

寝心地は悪いけど、あまり気にせず眠る習慣がついている人は、無意識にストレスがたまり続け、症状悪化につながるかもしれません。
ちょっとした違和感を見逃さず、できるだけ問題を早急に解決することを意識しながら、マットレスを選ぶようにしましょう。

ポイント3:寝返り

一般的に、寝相の良い人の方がリラックスしているものと考えられがちですが、身体のことを考えると、かえって寝返りを打つ方が健康的だと言えます。
そもそも寝返りは、体の一部分に圧が集中しないよう、無意識で行われる生理現象であるの一つなのです。

先にご紹介した通り、腰には体重のおよそ4割の圧がかかっています。
寝返りを打たないで眠っていると、腰回りの血管は圧迫されていき、次第に血流が低下していきます。

やがて血流が低下すると、筋肉が酸欠状態になり、身体のコリを引き起こす原因となります。
寝相が良い人の筋肉は、実際のところ緊張しているケースが多いため、できるだけ寝返りが打ちやすいものを選ぶのがポイントです。

ちなみに、体位変換を考える(寝返りを打ちやすい)マットレスを選ぶ際には、一定箇所にかかっている圧迫力を小さくすることを意識しましょう。
ウレタンなどの特殊素材を使っているものを選べば、身体全体を包み込んで受圧面積を広げ、圧力を分散できます。

ポイント4:反発力

マットレスの商品表示を見ると、反発力と呼ばれる数値が載っているものを見かけます。
単位はニュートン(N)と呼ばれるもので、体重に応じた反発力の目安というものがあります。

全ての人に当てはまるわけではありませんが、高反発マットレスを選ぶ一応の目安として、45kg以下の人は100N程度、46~80kgクラスの人は140N程度、それ以上になると170N以上が目安と言われます。
もちろん、体重だけでなく、脂肪・筋肉がどの部位についているのかによって体圧のかかり方も変わってきますから、選ぶ基準の一つとして総合的な判断に用いることを考えましょう。

もしも、マットレスを買い替えるのが難しい場合は……

マットレスを買い替えようと思っていても、なかなか自分に合ったものに出会えない、もしくは買い替える予算がないなどの事情がある人は、体勢を工夫することで痛みや違和感が緩和される方法を知っておくと役立ちます。
以下に、普段の寝相ごとの対処法をまとめてみました。

横向きで寝る人のための対処法

普段横向きに寝ることが多い人は、脚に薄めのクッションをはさむという方法があります。
クッションは、腰と脚の高さが水平になる厚みの者を選び、腰・脚の落差をなくすようにします。

腰と足を比べた時、圧倒的に腰の体圧が大きいため、そのギャップを横向きのまま埋める方法です。
腰・脚の落差がなくなることにより、痛みが緩和される場合があります。

仰向けで寝る人のための対処法

普段から仰向けで寝ることが多い人は、ひざの下にクッションを入れてみましょう。
腰が自然に伸びて、痛みが軽減されることがあります。

こちらは、ひざの位置が上半身より高くならないよう、厚みを調整します。
横長のタイプを選ぶと、ひざからズレ落ちるのを防げます。

お尻が出ている人の対処法

お尻が背中よりも出ている、洋ナシタイプの身体をしている人は、腰と比べた時に凹凸が激しく、腰痛の原因になっている場合があります。
このような場合は、タオルを細長く3つ折りにして、腰とベッドの隙間が埋まるよう配置すると、負担軽減に役立ちます。

おわりに

以上、脊柱管狭窄症の症状緩和に役立つマットレスの選び方についてご紹介してきました。

睡眠時に注意したいのは、マットレスの種類によっては、立っている時よりもアンバランスな状態で眠る可能性があることです。
自分で体感して修正できればよいのですが、我慢を続けるうち、知らず知らずのうちに悪化していることもありますから、少しの違和感でも無視しないことが、睡眠による症状悪化を防ぐ第一歩です。

もちろん、根本的解決を目指すなら、睡眠時だけでなく、普段の身体の動かし方から修正をかけていかなければなりません。
痛みは放っておいてもよくなりませんから、できるだけ早く専門家の目で判断してもらいましょう。

箕面の「健寿の森整体院」 PAGETOP