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お灸や鍼(はり)・指圧などの分野で、脊柱管狭窄症対策として紹介されることが多いものの一つに「ツボ」があります。
書籍などでも「つらい脊柱管狭窄症を指1本で改善する」といったことをうたうものが見られ、中国ではセルフケアを行っているという話も聞かれます。

確かに、当院でも状況に応じて鍼灸は行いますし、その効果についても理解はできます。
ただ、セルフケア目的でのツボ押しはともかく、症状が悪化した状況で自分でツボ押しするというのは、かえって逆効果になるものと考えます。

というのも、一口に脊柱管狭窄症に効くツボと言っても、足の内側なのか、それとも外側なのか、あるいは腰なのかなど、押すべき場所が数多くあるからです。
自分にとって効果的なツボ自体を見極められなければ、そもそも見当違いな場所を刺激してしまうおそれもあることから、十分に注意が必要です。

今回は、それを踏まえた上で、脊柱管狭窄症対策としてよく言われるツボの種類をいくつかご紹介します。
一般的に言われる「ツボ押しの効果や症状改善」や、仮に「自分で押す場合の押し方」などについても触れつつ、当院の見解も合わせてお伝えします。

一般的に言われる、ツボ押しによる改善反応

まずは、一般的によく言われる、ツボ押しによる改善反応について、いくつかのアプローチからご紹介します。
主に東洋医学的な解釈から発展した考え方ですが、体調改善には一定の効果をあげている部分は少なからず存在するため、無視できない概念の一つです。

筋肉へのアプローチ

まずは、筋肉の機能を改善する方向へのアプローチについてです。
脊柱管狭窄症が起こる原因として、脊柱管を支える身体の構造が変化したことを原因に挙げる場合は多く、偏った身体の使い方による筋柔軟性の低下・運動効果が十分に発揮されないことによる筋力低下などを改善していくことが重要だとする考え方です。

分かりやすく言うと、筋肉が何らかの理由で硬くなってしまっているため、そうした筋肉の状況を改善する(柔軟性を取り戻す)ために、ツボを刺激することをいいます。
腰を支える足の筋肉を強化する目的で、ツボを刺激することもあります。

血流へのアプローチ

次に、血流へのアプローチについてです。
これは、冷え性など血流が滞ることで身体が冷えてしまう場合に、血行を促進して身体を温めるために用いるケースが多いようです。
身体の節々に、冷えによる痛みを感じやすい人にとっては、ある程度有効性が期待されます。

また、体内を巡る液体へのアプローチであることから、ツボの刺激によって「エネルギー」のつまりを調整する役割も期待でき、押した場所以外の部分にも反応があることは珍しくありません。
足ツボの考え方などもそうですが、各臓器とつながりのあるツボを刺激することで、機能改善につなげるという考え方です。

神経へのアプローチ

身体全体をケアするという意味では、自律神経など「神経」に向けたアプローチとしてツボを活用するという考え方もあります。
脊柱管狭窄症は、神経が圧迫されることで痛みが発生するという側面がありますから、痛みを和らげる目的で用いられることもあります。

当院における施術でもそうですが、人間の身体には自分の身体を自然に修復する「自然治癒力」というものが備わっており、とどのつまり薬や施術というものも、その機能が正常に働いてこそ効果を発揮します。
よって、ツボを正しく刺激することで症状が改善するのは、経験則からも理にかなっている部分はあります。

また、人間の身体というのは複雑に各部位が絡み合ってバランスを取っているため、刺激が不調を改善するメカニズムは複雑です。
一例として、ツボ押しによる便秘解消の流れをご紹介しましょう。

まず、手足にあるツボを押すと、その部分の神経が興奮します。
その情報が脊髄を経由して脳に伝達され、胃腸管を管轄する副交感神経に刺激として送られます。
最終的に、胃腸管の動きが活性化され、便秘が解消されるという流れになります。

これは、自律神経を経由して患部を刺激した一例ですが、似たようなケースはよく聞かれます。
目の周りを圧迫されるような頭痛が起こると、無意識のうちにこめかみを刺激するように、身体は刺激に対して素直な反応を示すのです。

脊柱管狭窄症に効果的とされるツボの種類と、自分で押す場合の押し方

これから、脊柱管狭窄症に効果的と言われている、各種ツボの種類をご紹介します。
一例として、自ら刺激する際のやり方も掲載していますが、あくまでも参考情報として捉え、症状が改善しない場合は当院も含め専門機関に相談してください。

太ももの後ろ~ふくらはぎにかけた症状

まずは、太ももの後ろから、ふくらはぎに向けての症状に効果的とされるツボをまとめました。
脊柱管狭窄症に見られる症状に限らず、足・腰の不調に用いられます。

▲殷門(いんもん)

足がむくむ・だるく感じるなど、足の疲れに効果的なツボの一つです。
痛みの面では、坐骨神経痛・こむらがえり・背中・腰の痛みといった症状の改善にも用いられます。

太もも裏のほぼ中央に位置し、ひざの裏側の真ん中と太ももの付け根の真ん中を結んだところを刺激します。
押す場合は中指を使い、座って両手で太ももを持ち上げるようにして、息を吐きながら10回ほど押します。

このとき、イスに腰かけて刺激すると、無理なく押せるでしょう。

▲委中(いちゅう)

腰背部の疾患に効果的で、膝の痛みや下肢のマヒにも効果を認めるツボの一つです。
ひざの裏にシワがあると思いますが、その真ん中あたりにあるツボです。

ひざを軽く曲げてから、ひざ裏にできる横線の中央を意識します。
両手でひざを包むように持ち上げ、両手の中指で軽く押すようにします。
押し方としては、3秒程度押してから離す流れを3回繰り返します。

▲承山(しょうざん)

腰・背中・ふくらはぎの張りに効果が期待できるツボの一つです。
重だるさの解消にも用いられることがあります。

腱と筋との境目にあり、かかとからアキレス腱の上を、ふくらはぎの方に向かって上側になでていき、やがて指が止まる所を押します。
押す方の足を軽く曲げてから、反対の足は投げ出して座るようにして、両手の親指を一緒にツボに当てるようにします。

他の指はすねの方に置き、2秒・5秒・2秒のカウントで指圧します。
最初と最後の2秒は、それぞれ圧をかける・抜く前段階として軽く圧をかけ、5秒のカウントのタイミングで押し続けるようにします。

▲崑崙(こんろん)

腰痛・足のむくみ・疲れの解消を目的として押すツボです。
足の外くるぶしとアキレス腱との間にくぼみが見つかるので、そこを押します。

親指の先をツボに当ててから、人差し指も使って挟むように力を入れます。
力加減に慣れてきたら親指に力を込めて10秒ほど押し、同じタイミングで徐々に力を抜いていきます。
繰り返す回数としては、概ね5回といったところでしょう。

注意点としては、力を入れる方向は「皮膚に対して垂直に」なることを意識するとよいでしょう。

太ももの外側~下部に向けた症状

続いては、太ももの外側から下側に向けて、症状の改善に用いられるツボをご紹介します。
しびれの解消に用いられることも多く、足を曲げた格好で押すことが多いでしょう。

▲風市(ふうし)

広く腰痛・足の疲れ・しびれといった症状の改善に用いられ、坐骨神経痛に効果があると紹介しているところもあります。
立ち上がった姿勢で、まっすぐ手を指先まで伸ばしたとき、ちょうど中指が太ももの外側にあたる部分がツボにあたります。

押し方は二通りあり、まずは単純に親指を使って、深く響くような感覚があるまで3回ほど押すやり方があります。
あるいは、太ももの内側に両手を当て、鼠径部(大腿部の付け根)に向けて3~5回ゆっくりと押し動かすようにします。

太ももの内側から押す場合、片方は足を伸ばしながら、もう片方(ツボを押す側)については曲げて押すとよいでしょう。

▲陽陵泉(ようりょうせん)

坐骨神経痛・腰痛の緩和に用いられ、筋肉が引きつった状態の緩和を目的とするツボです。
足の外くるぶしから、上側に骨を上げるようになぞると、ひざの外側・丸い突起の下で指が止まったら、それがツボの場所です。

押すときは、足を曲げた姿勢から、両手の親指を使って押します。
3カウントしつつ徐々に圧をかけ、終わったら同じようなペースで徐々に力を抜くようにしましょう。

▲懸鐘(けんしょう)

足のマヒ・坐骨神経痛への効果を目的として押しますが、高血圧・頭痛への効果も期待できるという報告もあります。
外くるぶしから数えて指4本分のところ、骨に触れてから前側を押します。

親指を使いながらツボを5秒ほど押していき、押し終わったらゆっくり離しましょう。
回数としては、5~10回程度を想定します。

腰の筋肉に向けた症状

最後に、腰部の筋肉が持つ柔軟性を取り戻すのに用いられるツボをご紹介します。
自分で押すのが難しい部分もありますから、専門の知識を持った人に押してもらいましょう。

▲大腸兪(だいちょうゆ)

多裂筋の柔軟性を回復するために押すツボで、多裂筋とは背骨に寄り添う形で背骨を支えている筋肉です。
背中から腰の骨を触っていき、その中で一番高いところから指2本分外側にある(左右ともに)ツボのことです。
次に説明する関元兪(かんげんゆ)と一緒に押すことが多いです。

うつ伏せに寝た状態で腰を抱えるようにしつつ、左右のツボを多少強めに親指で押していきます。
ただ、自分で行うのは難しいので、誰かに押してもらった方がよいでしょう。

▲関元兪(かんげんゆ)

こちらも多裂筋の柔軟性を取り戻すために押すツボで、大腸兪(だいちょうゆ)の位置から数えて、指3本分ほど下にあります。
押し方は、大腸兪(だいちょうゆ)と同じです。

▲環跳(かんちょう)

お尻の筋肉が本来持つ柔軟性を回復する効果が期待できるツボです。
立った状態でお尻を触ったとき、左右のくぼみにあるツボです。

こちらは、やや痛みを感じる程度に押しますが、押さずにカイロを使って温める場合もあるようです。

▲髀関(ひかん)

腰骨を触ったとき、出っ張り部分のすぐ下・筋肉のくぼみにあるツボで、骨盤を正しい位置におくために、大腿筋膜張筋・大腿直筋の柔軟性を取り戻す目的で押します。
押し方としては、ゆっくり押してゆっくり離すという流れを繰り返していきますが、手のひらで全体を押し上げるだけでも効果があるとされます。

おわりに~自分だけで判断しないこと~

これまでに挙げてきたツボは、適切に刺激すれば効果が期待できる反面、何の指導もなく自ら独学で押したとしても、十分に効果が表れない場合があります。
また、脊柱管狭窄症を改善するためには、あくまでも身体全体の動きを修正して悪いクセを直すことが大切で、痛みやしびれだけを一時的に取り除いても仕方がありません。

何よりも大事なことは、専門家の指導を受けながら、原因となる要素を取り除くことですから、その点を忘れないようにしましょう。

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