箕面で整体・骨盤矯正なら「健寿の森整体院」

ネットサーフィンをしていると、腰痛・坐骨神経痛といった痛みを解消する方法として、水泳やプールでのエクササイズを紹介する記事が見られます。
痛みの原因を押さえることなくエクササイズをしても、かえって症状を悪化させるだけですが、予防や筋力強化の観点から見る場合は決して悪い選択肢ではありません。

ただ、多くの人が腰痛と坐骨神経痛を似たようなものとしてとらえているため、当院ではその点を整体の目線から指摘しつつ、水泳の効果を紹介すべきだと考えました。
現在腰痛対策・坐骨神経痛対策に水泳を取り入れている人や、水泳をしたいけど腰・ひざ・お尻の痛みが気になっている人は、ぜひ一度お読みください。

一般的に言われている水泳の効果

まずは、一般的に言われている水泳の効果について、いくつか主だったものに触れていきたいと思います。
健康増進になること自体は間違いなく、軽度の痛みであれば運動を取り入れるべきだという意見が多いようです。

筋肉の強化とダイエット効果

坐骨神経痛は、何らかの形で坐骨神経が圧迫されて起こります。
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などが、坐骨神経痛を引き起こす大きな原因となりますが、お尻の奥にあるインナーマッスル・梨状筋・双子筋の圧迫が原因であることも珍しくありません。

よって、筋肉が炎症を起こしている場合は、当然運動すべきではありません。
しかし、腰回りの筋肉の弱さや身体の偏った使い方に原因があることも往々にしてあることなので、運動を取り入れて筋肉を鍛えるアプローチ自体は悪くありません。

当院でも、正しく歩くこと(正常歩行)を教え、身体のリモデリングを図ります。
正しい身体・正しい筋肉の動きを叩き込み、一定の筋肉量を確保することが、結果的に坐骨神経痛を遠ざけることにつながります。

ここで注意したいのが、水泳は、普段使いにくい部分の筋肉や上半身の筋肉を多少つける分には役立ちますが、基本的には有酸素運動であるという点です。
よって、筋肉をつけるというよりはカロリーを消費することが中心となるでしょう。

また、水泳「ばかり」をやるのも、かえって身体には逆効果となります。
身体を正常な状態に戻すためには適切な負荷が必要で、水泳だけを続けていると、かえって下半身が弱まってしまうのです。

他の運動(歩くことなど)と併用しながら、身体を鍛えることが大切です。

ひざや腰に負担をかけず運動できる

水泳の大きな利点は「浮力」であり、足腰に負担が少ない状態で運動ができます。
ケガや病気によって、身体を動かす体力が少なくなってしまった人にとっては、リハビリ目的で使うのにもよい方法です。

また、もともとの筋肉量に関係なく負担が軽減されますから、老若男女問わず運動が可能です。
ウォーキング・アクアエクササイズのように、プールなどの中で運動するだけでも、ある程度の効果が期待できます。

大きなケガ・骨折などを経験した人のリハビリ期間として、「荷重禁止期間」というものがあります。
骨折などで整形外科にかかったことがある人はご存じだと思いますが、患部およびその周辺の整復を行った後ギブスで固定して、荷重を足にかけないようにする期間です。

状態が改善するにつれて、足関節に装具を付けてから、1/2荷重歩行のように徐々に力をかけるようにします。
最終的に、松葉杖なしで問題なく歩けるようになり、装具が外れれば完治となります。

そして、プールでの運動がもっとも効果を発揮するのは、この荷重禁止期間なのです。
坐骨神経痛のような慢性的な疾患に対しては、回復改善を考えた場合に不適となるケースが多いことから、個人差もありますが当院での判断としてはおおむね1週間といったところです。

プールでの運動を取り入れる際は、痛みの度合いや回復状況に応じたプールの利用を心がけましょう。

脳の活性化や病気のリスク減少にも

水泳が運動である以上、何らかの形で健康に寄与していることは間違いなく、身体の状態だけでなく精神状態にもよい影響を及ぼしてくれます。
病気のリスク減少につながる効果もいくつか報告されており、代表的なものは以下の通りです。

・心肺機能の向上
・代謝向上と肌つやの良さを保つ
・浮力によるリラックス効果

水泳は有酸素運動のため、積極的に身体に酸素を取り入れます。
そのため、結果的に代謝が向上し、心肺機能の向上が見込めます。

肌つやについては、水の中に身体をひたし続けていることもあって、保湿効果が得られた結果と考えられます。
また、浮力は身体の余分な力を解き放ってくれるため、そのフワフワした感覚がリラックス効果につながるという人もいます。

水泳は、こういった身体へのプラス効果に加え、脳にもよい影響を与えるものとされます。
具体的には、水泳を通して分泌される「セロトニン」が関係しています。

セロトニンを発生させる運動の種類の一つに「リズム運動」というものがあり、これは同じ動作を繰り返すタイプの運動を指します。
このリズム運動によってセロトニンが発生すると、憂鬱な精神状態を改善してくれるため、うつ病に効果があるものと期待されています。

腰痛・坐骨神経痛につながりかねない水泳の環境

このように、水泳が身体に与えるプラスの効果は数多く存在します。
しかし、残念ながら水泳には健康を害するリスクもいくつかあるため、手放しでおすすめできるものではありません。

以下に、腰痛・坐骨神経痛の悪化に関連する、水泳のリスクについても触れていきます。

冷たい環境に長時間身を置くことになる

多くのプールは自然界と違い、水温が30℃前後に保たれています。
そのため、運動強度が低い場合、次第に体温が水に奪われていきます。

冷やすという行為は、炎症を冷ます意味では有効に働きますが、それはあくまでも炎症に限った話です。
慢性的に長時間身体を冷やしてしまうと、かえって症状を悪化させるリスクもあります。

運動後のケアが不十分で身体が冷えれば、腰痛・坐骨神経痛だけでなく、風邪などの症状に悩まされる可能性もあります。
それならいっそ、ジャグジーや大浴場を使って適度に体を温めた方がよい場合もあるでしょう。

どんな泳ぎ方ができるのか

水泳ということは、当然ながら「何らかのフォーム」で「一定の距離にわたり」プールを泳ぎ続けることを意味します。
このとき注意したいのは、関節や筋肉をケアする目的で泳いでいたのに、結果的に痛みを伴う症状を患ってしまうことです。

水泳は、いくら浮力がある中といっても、基本的には筋肉疲労を伴う運動であり、背筋を緊張させる行為でもあります。
背筋を緊張させ過度に腰椎を反り返らせた状態で、背骨まわりの筋肉疲労が同時に起こってしまうと、必要以上に関節を伸ばしてしまう「過伸展」となるおそれがあります。

この状況を招く可能性としては、初心者から上級者まで幅広く用いる「ビート板」を使った水泳が挙げられます。
両手で板を持って足をバタバタさせる姿勢は、体幹の弱い人は胴体が沈んでしまい、過伸展につながるリスクがあるのです。

この過伸展を長く続けてしまうと、最終的に腰椎分離症の原因になることもありますから、十分注意が必要です。

水泳でしか使わない筋肉

意外と忘れがちなのが、水泳で使う「筋肉の違い」です。
水泳では、スタート・ターンなどの状況で、一般的には行わない運動をします。

すでに腰・ひざなどに何らかの痛みを感じている人はともかく、まだそこまで痛みが強くなかったり、予防目的で水泳を取り入れていたりする人は、十分注意が必要です。

スタート・ターンといった動作では、水の抵抗に逆らうよう、プールの壁を強く蹴りだします。
すると、腰の筋肉が突っ張ってしまい、大きな負荷がかかってしまうのです。

準備運動を怠り水泳を始めると、せっかく腰痛・坐骨神経痛対策のために泳ぎ始めたにもかかわらず、数日で「ぎっくり腰」になってしまう可能性もあります。
また、坐骨神経痛は腰痛以上に言葉の示す範囲が広いため、自分がどんな動作をしたら痛むのかを理解していなければ、最終的に炎症を引き起こしてしまうでしょう。

プールを使った改善の心得

身体に負担の少ないプールであっても、使い方を誤ると症状を悪化させることが分かったところで、各人に合ったプールとの付き合い方について考えてみましょう。
とにもかくにも、プールに行ったならまず「泳ぐ」と考えている人は、一度その固定概念を取り払うことから始めてみてください。

人間の身体は、加圧に強く減圧に弱くできている

プールには、確かに身体に負担をかけず運動できる利点があるものの、その利点は諸刃の剣となる場合があります。
痛みをおそれるあまり、いつまでもプールのエクササイズに頼っていると、かえって回復が遅くなってしまうのです。

その理由を知るためには、人が本来適応している環境と、人間を含む生物の圧に対する耐性について知る必要があります。

人間はおおむね、地上・1気圧・1Gという環境に慣れており、日常的にそれなりの圧力が身体にかかっている状態を維持しています。
仮に、標高1000メートルに行けば0.1気圧低下し、受ける気圧の影響は0.9気圧分となります。
すると、人間はそれだけでも高山病など体調を崩してしまいます。

逆に、水深100メートルに潜った時は10気圧となりますが、実のところ人間はその程度の気圧なら耐えられます。
すなわち、人間も含む地上の生物全ては「加圧には強く減圧に弱くできている」という説明ができます。
この水圧が、適度な圧力を身体に与えてくれていることから、水の中でも運動効果が期待できるのです。

プールと地上は同じ条件ではない

そのため、プールについての誤解が起きやすいのですが、水の中は浮力が身体に働くことから、地上と同じ1Gの力がかかりません。
あくまでも、身体に負荷をかけたくない場合にプールは有効なのであって、真の意味で回復を目指す場合は、普段と同じ環境に身体を持っていかなければ、将来的に骨格・関節が影響を受けます。

無重力に近い状態に長時間いると、宇宙飛行士と同様、関節や骨が弱くなります。
※(宇宙空間で宇宙飛行士が運動しているところをよく見かけますよね。)

よって、長く水中にいた状態から地上に上がると、身体が1Gの重力にすぐに適応できず、体が重だるいという現象が起きます。
プールから上がったときにやって来る急激なだるさは、水中が身体を怠けさせてしまう顕著な例です。

もちろん、泳ぐこと自体は運動として悪い方法ではなく、関節に圧をかけず水圧に抵抗して手を動かしますから、上半身の筋肉は発達するでしょう。
ただし、下半身の筋肉は泳ぐだけだと細くなっていきます。

これは、水中という環境に適応しようと身体が変化した結果です。
そのため、水泳選手は関節などの基礎構造が弱く、地上で歩くと1時間連続で歩くことができない人もざらですし、背骨も魚のように尖ってきます。

外で歩けない場合は自宅でトランポリンを

このように、プールが効果的なケースはあるものの、プールばかりに依存していると、次第に身体が弱くなってしまいます。
よって、プールに通ってもよいのですが、やはりきちんと「歩く」こと・Gを身体に受けることを意識して、エクササイズする必要があります。

当院では、基本的に正しい姿勢でのウォーキングを推奨していますが、天候等の理由で外で歩けない場合に備えて「トランポリン」によるエクササイズを推奨しています。
トランポリンは、体への荷重負荷を適切に保ちながらトレーニングの段階をコントロールでき、関節強度の回復にも役立てられるため、アスリートレベルで調整できるのがメリットです。

以下に、当院で教えるエクササイズ方法についてご紹介します。

① トランポリンの上に乗る
② 肘を90度以上曲げて腕を振り、縦の振動を腰に感じる
③ トランポリンの上で弾むように動く(足は動かさない)のが基本だが、飛び跳ねてもよい

このエクササイズは、30分が取り組む時間としての目安です。
足場が不安定に感じる方は、手すり付きを選んで跳ぶと、バランスを崩しにくいのでオススメですよ。

おわりに

水泳やプールを使ったエクササイズは、きちんと痛みの原因を押さえた上で取り組むのなら、坐骨神経痛や腰痛の改善が期待できます。
しかし、泳ぎ方・使い方に注意しなければ、かえって症状・体調を悪化させるリスクもあります。

また、症状を勘案したとき、結果的に水泳以外のエクササイズがプラスに働くケースもあります。
水泳にこだわらず、プールを効果的に使って、無理のない体調管理を心がけましょう。

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