箕面で整体・骨盤矯正なら「健寿の森整体院」

腰部脊柱管狭窄症の痛みにつき、サポーターを使うことで軽減しようとする試みは、整形外科のアプローチとして知られているところです。
腰痛についても言えることですが、痛みを感じる状況を未然に防ぐ意味では一定の効果があるものの、痛みの原因を取り除くアプローチではなく、あくまでも他の療法も含めて構成すべき方法です。

しかし、症状が軽いうちは、サポーターでだましだまし仕事を続けていけることから、ついついサポーターの性能に頼ってしまうという声も少なくありません。
そこで、脊柱管狭窄症の痛みを軽減するサポーターの使い方・選び方について紹介しつつ、それだけに頼らず、最終的にどのような形で改善に結び付けるのかを考えていきたいと思います。

サポーターを使った療法は「保存療法」の一種

医学的見地から考えたとき、サポーターを使って痛みを軽減する療法は、保存療法と呼ばれます。
代表的なものに「コルセット」などがあり、保存療法にはそれ以外にも複数の種類があります。

脊柱管狭窄症の症状だけを紐解いていくと、座っているときに痛い・歩いているときに痛い・運動しなくてもお尻~ふくらはぎが痛いといったように、痛みの種類も複数存在しています。
保存療法では、種々の方法を組み合わせて改善を試みるため、サポーターの使い方以外の療法についても考慮する必要があります。

保存療法の幅は広い

一口に保存療法と言っても、生活上の注意から注射まで、実に多くの療法があります。
極端な話、杖をついて歩くことも、保存療法の一種です。

お年を召された方が腰を曲げて歩いているのは、痛みを避けるという側面もあります。
やや無理やりではありますが、老人車・杖なども、視点を変えればサポーターの一種と言えなくもありません。

また、急性の痛みであれば、安静にしていることも有効です。
とはいえ、高齢の方は別の意味で注意が必要になり、筋力の低下によって症状を悪化させたり、最悪寝たきりの状態になってしまったりするリスクを考慮しなければなりません。

逆に、運動を行うことで筋力を強化し、腰を安定させて腰痛・下肢痛の軽減を試みるという方法もあります。
これは運動療法と呼ばれ、当院でも正しい歩き方を指導するなどして、体の本来の使い方をサポートする施術・アドバイスは行っています。
ただし、歩行練習を過度に行うと、かえって症状が悪化する可能性もあるため、自転車を使った移動を想定する場合もあります。

その他、熱を加えて局所の循環を改善するなどの物理療法や、痛みを抑えるために注射をする注射療法などがあります。

コルセット・サポーターなどの使用は「装具療法」に該当する

前置きが長くなりましたが、コルセット・サポーターなどを使用する場合、保存療法の中では「装具療法」というジャンルに該当します。
基本的な構造としては、腰椎の反り過ぎを抑えつつ、腰仙椎の支持固定を行う役割を果たします。

脊柱管狭窄症で痛みが発生するメカニズムは、大雑把に説明すると神経の圧迫によるものです。
腰部脊柱管の中央を通り馬尾神経が圧迫される、もしくは脊柱管の左右を走る神経根が圧迫されることで発症するのが一般的です。

そのため、コルセット・サポーターなどを使って圧迫されている部分の負担を軽減することにより、下肢痛や間欠性跛行などの症状にもよい影響を及ぼす場合があります。
とどのつまりは、正しい姿勢を装具によって維持することにより、痛みを少しでも和らげようという試みです。

手術を遅らせる手段の一つだが、結局は……

保存療法は、適切に行うことで改善へと向かうケースはあるものの、基本的には大きな施術(手術など)へと向かうまでの期間を長くするための方法です。
もちろん、軽度のものであれば、保存療法を適切に行うことで改善されるでしょうが、改善が見られなければ医学的により深い部分へのアプローチを行います。

脊柱管狭窄症を手術で改善する方法は、大きな改善につながる場合もありますが、整体側の目線から考えると「博打」的な要素があります。
患部へのアプローチだけで症状の改善を図るのは、身体構造を考えると、非常に危険を伴う選択肢です。

実際に、患部と思しき部位に痛みの原因があるならよいのですが、手術を行っても改善されなかったら、同じ場所にメスを入れることが難しい場合もあります。
受ける側にとっては一生の問題になりますから、できる限り自分の自然治癒力に頼った改善策を講じるべきです。

腰部脊柱管狭窄症における、サポーター装着の基本

保存療法についての説明が終わったところで、続いては、腰部脊柱管狭窄症の改善を目的とした、サポーターの使い方・選び方についてです。
製品ごとに注意点は異なるものの、いずれも共通しているのが「正しい姿勢を保つ」という点にあります。

背骨の中心にしっかり当てる

腰部脊柱管狭窄症の場合、腰を反らせたり、まっすぐに伸ばした状態にしたりすることで、痛みが強まる傾向にあります。
そこで、腰の反りや負担を減らすことを目的とし、サポーターは背骨の中心にしっかり当てることを意識しましょう。

サポーターの多くは「伸びる」要素を持っているため、十分に伸びるように本体の両端を引っ張り、体の正面でストッパーを止めるようにします。
補強ベルトなどが付属しているようであれば、左右同時に引っ張り、バランスが崩れないよう注意しましょう。

自分に合ったサイズを選ぶ

サポーターには数多くの種類があり、コルセットなら病院でもらえることもあります。
しかし、処方されたものでは症状が改善しないという場合、自分に合ったものを選ぶことも大切です。

コルセットの場合、適性サイズがウエストに応じて定められており、およそ2インチ幅で選べるようになっています。
コルセットは着用が難しいという難点があり、正しい位置に着用しないことで炎症が強まることも珍しくないことから、このように細かく設定されている一面も否定できません。

これに対して、市販されているサポーターの場合は、Sサイズ・Mサイズといった、服のサイズが基準として用いられていることが多いようです。
サポーターの規格が比較的柔軟になっているのは、コルセットのように動きを強力に制限しないことを目的としているからだと推察されます。

それだけに、体に合わないサイズのサポーターを選ぶと、かえって症状が悪化してしまうリスクもあります。
一つの基準として「がっちり支えてくれるけど締め付けがない」ものを選ぶと、苦しむことなく装着できるでしょう。

より具体的に言うと、痛みはないが締め付けがしっかりしているものを選ばなければなりません。
「付けていることを忘れられる」ほどの付け心地が理想です。

伸縮性・通気性

コルセットの目的は、筋肉の代わりをすることです。
それ相応の強度を持っている分、伸縮性・通気性を考慮していないものも見受けられます。

十分な通気性が確保されていなければ、当然ながら付け心地も悪くなりますし、肌への影響を及ぼす可能性もあります。
身体を自由に動かせない中で「あせも」などができると、二重の苦しみを味わうことになります。

身体を自由に動かせるようにサポーターを選ぶわけですから、動きに合わせて伸び縮みしやすい素材かどうか、通気性はどうかなど、口コミや体験談などを考慮して選びたいところです。

装着し続けないようにすること

コルセット・サポーターを使う場合、もっとも注意しなければならない点は、装着し続けないようにすることです。
慢性的に痛みがあるからといって、ずっと使い続けているのは逆効果で、逆に炎症を引き起こす危険性さえあります。

そもそも、コルセット・サポーターだけで、重度かつ慢性の脊柱管狭窄症が改善するケースはまずありません。
痛みが長引くようなら、必ず専門家の判断を仰いで、適切な施術を受けて正しい運動を行うべきです。

想定される原因は複数あるものと考える

脊柱管狭窄症は、ごく一部分の問題と考えられがちです。
事実、痛みが起こる箇所は一定であるケースが多く、その部位をケアすれば何とかなることはあります。

しかし、最初の段階で原因を一つに特定してしまうのは、かえって判断を誤る可能性があります。
まずは、正しい原因を探らなければなりません。

正しい原因を突き止める

腰部脊柱管狭窄症は、単独の原因で起こると考える場合もありますが、それぞれが複合的に合わさったケースもあります。
さらに、要因自体も古くから抱えているものが多く、少なくとも5年以上という歳月を経て、体が変化してしまった方も珍しくありません。

また、単純に神経が圧迫されているから痛いのか、それとも神経線維が引き延ばされて痛いのかによって、施術の方向性も変わります。
脊柱管狭窄症の大きな原因の一つに数えられる「加齢」も、それだけが問題と断定するのは乱暴な話です。

個々人で異なる原因をしっかり特定し、最終的に正しい方向に身体を戻してあげるのが、整体目線での対応です。

自力を大事にする

当院では、正確に歩ける身体の動きを取り戻すこと、そこから必要な動きを強められることを目標に施術を行います。
特に、狭くなっている(患部を圧迫している)部分を修復する力を戻すには、やはり自力がものを言います。

必要に応じて装具を使うことはあっても、結局のところ、自然治癒力による回復は、自らの力に頼る部分が大きいものです。
モノに頼るよりも、自分の身体を自分で回復できる力を取り戻すために、整体を活用してもらえればと思います。

おわりに

サポーターの使い方・選び方としては、ごくごく基本的なことをお伝えしてきましたが、根本的な解決につながる可能性は低いものです。
つらい痛みがないのは嬉しいものですが、一生サポーターと付き合う覚悟を求められると、誰しも顔が暗くなります。

使うのはあくまでも一時的にとどめ、完治までの期間だけ利用するというスタンスを、忘れないようにしたいものですね。

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