デスクワークを続けていると、人によっては自覚のないまま肩こりやストレートネックになってしまうケースも少なくありません。
痛みを強く感じるようになると、かなり症状は進行しています。
今回は、そのような症状を事前に防ぐため、オフィスワーカーが使って便利な姿勢矯正グッズの種類やストレッチなどをご紹介します。
ストレートネックの症状について
ストレートネックは肩こりに比べるとあまり聞かない症状ですが、ひどい症状の場合はコルセットを使うクリニックなどもあります。
まずは、ストレートネックの症状について紐解いていきたいと思います。
ストレートネックとは、首の骨がまっすぐになってしまった状態を言う
一般的にストレートネックと呼ばれる症状は、首の骨がまっすぐになることで起こるさまざまな問題を指します。
このように聞くと、そもそも「首って骨がまっすぐじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、正常な場合はおよそ30度ほどの湾曲があります。
湾曲があるとかえって力が弱まるように感じるかもしれませんが、その反りこそが衝撃を吸収したり、首をしっかり支えたりしてくれる力を作ります。
また、首の骨は7個ある頸椎という背骨の一種で構成されていることから、しなることで衝撃を吸収し、下の骨にかかる負担を減らせるという一面もあるのです。
この状態が続くことにより、日々の衝撃をいなすことができず、結果的に首や肩に疲れが蓄積され、身体全体に悪影響を与えてしまうのです。
ストレートネックになりやすいタイプは大きく分けて4つに分類される
ストレートネックの症状が発生しやすい人には、いくつかの特徴があります。
以下に主な4つの原因をご紹介します。
猫背や姿勢が悪いタイプ
もともと猫背気味であったり、悪い姿勢で座っていたりするタイプの方が該当します。
顎が前に突き出るような姿勢になり、頭部が前方に出てきてしまい、その結果首がまっすぐになってしまうのです。
このような場合、首だけをケアしても症状をやわらげることにつながらないケースは珍しくありません。
そのため、猫背や不良姿勢を矯正するためのアプローチが求められます。
背骨の湾曲が少ない
意外かもしれませんが、一見して姿勢が良い方もストレートネックになるリスクを秘めています。
なぜ姿勢が良く見られるのか、その原因を考えてみると分かるかもしれません。
答えは「首も含む背骨がまっすぐである」ことです。
本来は背骨・首の骨ともに、湾曲があることが正常です。
よって、何らかの理由で湾曲が少なくなっている場合、疲労がたまりやすくなります。
ただし、スポーツで言えば、フィギュアスケートやバレエを行っている方は訓練を続けることでこのような背骨になってしまうこともあります。
骨盤や股関節に歪みがある
骨盤が正常な位置にない場合や、変形性膝関節症を発症している方などが該当します。
一見すると首から遠い位置にある部位なので、ストレートネックとの関係性を疑う方はそう多くありません。
しかし、身体はその一部だけで一部を支えているのではなく、身体全体がバランスを取ることによって各部位を支えていますから、歪みの結果の一つとしてストレートネックが発生することは十分にあり得る話です。
足が身体を十分に支えられていない
他の要因としては、足に何らかの原因があることで、身体全体を十分に支えられないケースが考えられます。
外反母趾や浮き指などの症状によって、地面をしっかり足が捉えられないのです。
このような場合は、ストレートネックへの対応だけでなく、足へのケアも必要になってきます。
仮にストレートネックだけなら、対症療法を試すべきか
もし仮に、現段階で症状が強い部位がストレートネックだけだとしたら、対症療法で何とかなるものなのでしょうか。
結論から言えば、原因には働きかけていないため、期待しているような状態になるかどうかは不透明です。
痛み止めを処方してもらう
とにかくつらい痛みを何とかしたいということで、痛み止めでごまかすという方法は、もっとも手軽な対策の一つでしょう。
しかし、これはそもそも痛みをケアするという方法でしかなく、根本的な部分には触れていません。
一瞬でもいいから痛みを何とかしたいと考える場合以外は、あまりおすすめできる方法ではないでしょう。
首の骨の牽引や電気治療など
何らかの物理的な方法をとることで、症状をやわらげようとする方法です。
これは、首の筋肉に直接働きかける方法になりますから、確かに一時的に症状がやわらぐ可能性はあります。
しかし、ストレートネック自体が根本的に改善されるわけではありませんから、やはりその場しのぎという印象は否めません。
コルセット
骨折した場合やむちうち症などの際に使用するコルセットですが、こちらは骨折・脱臼による脊髄への悪影響を防ぐために用いられます。
しかし、ストレートネックを矯正するような力をかけることはないため、ストレートネックに用いるには荷が重いでしょう。
マッサージ・ストレッチ
初期症状の段階で適切に行えば、良い方向に向かう例もありますが、一般的なマッサージサロン・教材によるストレッチなどでは、十分原因に届いていない可能性もあります。
もし継続することで良い方向に進めたいのなら、適切な指導をこまめに受けることが大切です。
デスクワーク中や自宅で、自分でケアできる方法はある?
ここまで、ストレートネックになる可能性がある原因についていくつかご紹介してきました。
しかし、まだ自分はそこまで症状が重くないと考えている方は、自分でできる症状を軽減する方法が知りたいですよね。
そこで、デスクワーク中に使うことで体調を整えるグッズや、自宅で簡単にできるストレッチ方法について、いくつかご紹介していきたいと思います。
どんなグッズが首にいいのか
首のことを考えた場合、やはり首自体に何かを巻いたり頭を支えたりするグッズを考えがちですが、決してそれだけではありません。
身体全体のバランスを考えてグッズを使用する場合、やはり重要になるのは「腰」をどうケアするかです。
特に、猫背に対するアプローチをかける意味でも重要です。
基本はクッションで座る姿勢をフォロー
デスクワークを長時間行う際の身体のこわばりを防ぐには、やはりクッションを選ぶのが王道です。
種類について大きく分けると、座る部分に敷くものと腰を支えるものとがあります。
座る部分に敷くもので比較すると、商品の数が多いためいろいろと試しやすく、口コミを集めやすいという利点があります。
選ぶ際は、骨盤をしっかり包み込んでくれるものを選びましょう。
また、低反発性のクッションは、人によっては固く感じてしまい逆効果になることもありますから注意しましょう。
次に、主に腰を支えるタイプのクッションですが、こちらを選ぶ場合は自分が働いているオフィスの椅子に合致するかが重要です。
椅子のデザインによってはベルトを巻けず、しっかりクッションを腰の部分にフォットさせることができない場合があります。
選ぶ際はその点も考慮しましょう。
肩や腰などのサポーター
サスペンダーのように肩にかけたり、コルセットのように腰に巻くことで、身体を引き締めるタイプのサポーターになります。
デスクワーク用という意味ではクッションよりも商品数は少なめですが、人によっては症状がやわらいだと話しているケースも。
ただ、これは実際に身に付けてみないと自分に合うかどうかが分かりにくく、自分で微調整を繰り返して馴染ませる必要があります。
そのほかの方法
クッションやサポーター以外には、フットレストを使ったり、バランスボールの上に座ったりする方法があります。
フットレストは、身長が低めの方向けの器具で、適度な高さでパソコンに向かえず足が宙ぶらりんになってしまう方が、便宜的に足を置くためのものです。
オフィスの椅子の高さを自分で調整できない方が使います。
バランスボールは、リラックスした姿勢で座り仕事をするために用いることを想定しています。
もちろん、自宅でのリラックス目的でも使えます。
一部オフィスでは使用が許可されているという声も聞きますが、なかなか職場に取り入れるのは難しいかもしれません。
症状が目立たないうちに、自分でケアするためのストレッチ
ストレートネックを放っておくことで、肩こりや腰痛などの症状にまで発展する可能性があります。
猫背など、症状が目立たないうちに自分でケアしたいと考えている方は、以下のような方法を試してみてください。
座りながらできるので、デスクワーク中に時間を見てやってみるのもよいでしょう。
胸のストレッチ
①椅子に坐骨を意識して座る。
②両手を身体の後ろで組み、背中から遠ざける。
このとき、胸を軽く張って胸をしっかりと伸ばすことを意識する
③息を止めず、肩に力を入れずに30秒ほど伸ばす。
胸をしっかりと伸ばすことにより、姿勢を自然な状態に戻す試みになります。
深呼吸しながらのストレッチ
①座った状態で両手を肋骨に沿える
②息を吸いながら肋骨が開いていることを確認する。
③息を吐きながら、今度は肋骨が締まっていることを確認する。
両手で肋骨に圧をかけて中央に寄せるよう誘導すると、動きが分かりやすい。
④背中の丸まりや腰の反りに気を付けて10回行う
深呼吸をすることにより、自分の呼吸の乱れを整える効果も期待できますから、緊張しているときに意識してやってみましょう。
肩甲骨のストレッチ
①坐骨を座面に当てて座る。
②姿勢を保った状態でリラックスする。
③肩を前から後ろに回す。
このとき、腕自体は回さずに肩だけを意識して回すように。
④前後10ずつを目安に行う。
パソコンとにらめっこの仕事が多い方ほど、特に意識して肩を動かすようにしましょう。
おわりに
ストレートネックや肩こり、腰痛の症状が出ている方は、まずは一度専門家の診断を仰ぐことをおすすめします。
しかし、自覚としてそれほど症状が深刻でないという方は、デスクワーク中に身体をケアする習慣を続けるだけでも、かなり身体が楽になるはずです。
症状が悪化する前に、自分でできることは試してみてくださいね。