箕面で整体・骨盤矯正なら「健寿の森整体院」

変形性膝関節症の痛みは、時間をかけて症状が進行するという特徴を持っています。
原因は一概には言えないものの、医学的に主流として考えられているのが「軟骨の摩耗」です。
軟骨への過剰な負担により軟骨が摩耗し、摩耗片がたまることにより、関節の中で炎症が起こるというメカニズムです。

この説を基に考えてみると、摩耗片が増えれば増えるほど、痛みを伴うリスクが増えることになります。
また、壊れた組織を修復するために炎症が引き起こされ、その状態が続くと痛みも継続します。

つまり、変形性膝関節症の症状から早い段階で解放されるためには、初期症状に気付いてその時点で適切な対処を施す必要があります。

当院では、必ずしも軟骨の損傷だけが痛みの原因につながるものとは考えていませんが、考えられる要因の一つではあります。
そこで今回は、変形性膝関節症で感じる痛みを段階別にまとめたうえで、痛みが引き起こされるメカニズムと当院でのアプローチについてご紹介します。

変形性膝関節症の、進行状況による痛みの違いとは

変形性膝関節症は、ぎっくり腰のような強い痛みが急激に引き起こされる症状ではありません。
何となく膝に違和感を感じながら過ごす中で、次第にその症状が強くなっているというものです。

進行段階に応じて痛みには違いがありますから、現在膝が痛いと感じている方は、自分の痛みがどの程度になるのかを確認してみましょう。
また、参考として一般的な対処法も併せてご紹介します。

初期の痛み

変形性膝関節症の初期症状は比較的弱く、原因もはっきりしていることが多いため、放っておく人は珍しくありません。
特に、加齢が一因となっている場合、多くの方が見過ごしてしまいがちです。

痛み自体は何となく感じるものの、自分の年齢を考えたときに、周囲から見聞した情報から自己判断し、対処する必要はないと考えてしまうのです。

例えば、朝起きたときや行動を始めるときに膝がこわばったり、座った状態から立ち上がる際に何となく膝に痛みを感じたりする程度の痛みが該当します。
正座の習慣がある方は、正座の際にも痛みを感じるはずです。

正直、この程度の痛みなら……と、整体・医療機関に足を運ぼうとは思わないのではないでしょうか。
しかし、このような症状は、変形性膝関節症における初期症状の疑いがあります。

ちなみに、当院では必ずしも年齢が痛みを引き起こしているとは考えません。
なぜなら、同じ年齢の間でも、痛みを感じる人・感じない人はそれぞれ存在しているからです。

話を戻しますと、この時期は、それほど深刻な痛みを発症していません。
そこで、整形外科などでは、一般的な対処法として以下のような方法が取られます。

・湿布を患部に貼る
・痛み止めを飲む
・ヒアルロン酸の関節注射を行う

そのほか、運動療法・温熱療法も有効とされています。

症状が進行している時期の痛み

初期の段階では、膝の痛みが起こるタイミングをある程度特定できるものです。
しかし、症状が進行するにつれて、だんだんと痛みがひかずに続くようになります。
次第に腫れもひどくなり、さすがに放っておくのはまずいと誰もが考え始めるレベルです。

この段階になると、関節がこわばる感覚が強くなり、ひざの動きが鈍くなります。
また、膝に腫れ・熱感が感じられるようになり、水もたまり始めます。
O脚が進行するのもこの時期です。

ただ、この時期に整形外科で対処できる方法は、初期症状が出ている頃と大きく変わりません。
膝に装具をつけて負担を軽くする方法も取られますが、根本改善につながる方法とは言い切れません。

末期の痛み

末期状態になると、日常の行動にも影響がでます。
軟骨が減少し、骨同士のこすれ合いがより目立つようになります。
関節が固くなって変形も進行し、どんどん足を動かすのがつらくなっていきます。

最終的には、膝の痛みのために歩けなくなり、関節自体が曲がらなくなります。
ここまで来ると、一般的な整形外科のアプローチとして、手術を検討するレベルです。

具体的には、膝のすり減った軟骨をサポートするために、人口膝関節置換術と呼ばれる手術を行うことが多いようです。
ただし、この手術に使用する人口膝関節には耐用年数が存在し、長くて20年という期限付きです。

これは言い換えれば、自分の寿命を逆算して手術を受ける必要があるということで、一定の年齢にならなければ手術は検討できません。
というのも、同じ手術を同じ箇所に対して、何度も行うことは難しいからです。

手術を終えて予後良好になる人もいれば、症状が全く改善されなかったと話す人もいます。
ある意味では、外科的手術の限界とも言えるのかもしれません。

日本整形外科学会が考える、変形性膝関節症の原因と病態について

整形外科的な視点から考えたとき、変形性膝関節症の原因と病態は、どのように説明されるのでしょうか。
1926年に設立されてから、近代整形外科の発展に寄与してきた「日本整形外科学会」によると、以下のように説明されています。

<以下引用>

原因は関節軟骨の老化によることが多く、肥満や素因(遺伝子)も関与しています。また骨折、靱帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することがあります。
加齢によるものでは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、遣い過ぎによりすり減り、関節が変形します。

<引用終わり>

これらの文章から分かる通り、現代医学においても変形性膝関節症の明確な原因は特定されておらず、いくつかの複合的な要因が組み合わさって引き起こされるものと考えるのが妥当です。

健寿の森で考える、変形性膝関節症の痛みの原因

整体目線で変形性膝関節症という症状について考えたとき、痛みの原因を一部のパーツに求めるという発想はありません。
身体はそれぞれのパーツが絶妙なバランスを保って成立しており、単純に軟骨に原因を認めるとは限らないのです。

痛みが起こるのは炎症のせいでも、炎症が起こるのは膝のせいとは限らない

変形性膝関節症を考える際に重要なのは、患部だけにフォーカスしないことです。
身体のそれぞれのパーツが有機的に結合して、普段のパフォーマンスを発揮しているのなら、一つの症状に対して数多くの原因があってもおかしくありません。

身体でイメージすると分かりにくいと思いますので、あえて別の例を出して説明してみましょう。

「ジェンガ」というパーティーゲームをご存じでしょうか。
同じサイズ・直方体のレンガに似たパーツを3つずつ、縦横交互に並べながらタワー状に組み立て、それを崩さないように片手で一片ずつ抜き取り、最上段に積み上げるというルールのゲームです。

このゲームを続けていくと、次第に下の部分がいびつな形になっていきます。
構造上、真ん中だけを抜けばそれほどバランスは崩れないはずなのですが、抜き取る際に形が崩れ、ピサの斜塔のように傾いてしまいます。
そこでバランスを取るために、ある段は左端、ある段は右端と抜いていき、結果的に「よくこんな形で崩れないものだ」というタワーの形ができあがります。

これを膝関節に例えると、本来どこかに3本あるべきパーツが1本だけになっていて、それでタワーを支えている状態になります。
他の部分がいびつになっているところを、たった1本で支えていたら、当然その部分の負荷は大きくなっています。

身体のバランスを取り戻すには、このアンバランスな1本の部位に対してパーツを増やし、もとの状態に戻してあげる必要があるのです。

パーツを戻すことも大切、パーツが抜けないようにケアすることも大切

変形性膝関節症において、痛みの原因となるのは「炎症」です。
炎症自体は、パーツの異常を回復させるために必要なことですが、長引かせることで熱が骨を溶かすおそれがあります。
骨が溶けるということは、ジェンガで言えばパーツが失われることを意味します。

そこで、抜けかけのパーツを抜けないようにし、本来あるべき状態に戻すため、炎症を早い段階で抑える必要があります。
炎症の正体は「熱」ですから、その熱をいかに効率的に冷ますかが重要です。

当院では、氷のうを使った冷却(アイシング)を推奨しています。
氷は溶ける際に熱を奪うため、炎症における熱を早い段階で冷ますのに適しています。

このように説明すると、自宅にあるアイスノンや保冷剤を使用することを考える人がいます。
しかし、保冷剤は氷よりも温度が低く、長時間患部に当てることで凍傷を引き起こす可能性がありますから、おすすめしません。

ちなみに、湿布というのはあくまでも、皮膚の冷感点に訴えて痛みを軽減するために貼るものなので、炎症の根本解決にはなりません。
痛み止めの服用も同様で、本来身体が危険信号を発しているものを薬でごまかすことに、メリットはほとんどありませんから注意しましょう。

炎症が治まったら、正しい動きを身体に染み込ませる

アイシングを続けて炎症が治まったら、同じような症状が起こらないために、身体のバランスを整えます。
具体的には、本来身体にかかる「正しい負荷」を膝にかけてやる必要があります。

当院で施術を行い改善に結び付けたあとは、自分自身で正しい動きを続けなければ、また同じことの繰り返しになります。
そこで、当院ではいくつかのエクササイズを紹介しており、主に「正しく歩くこと」を身に付けてもらっています。

当院で推奨する代表的な歩き方の一つに「歩くときの足幅(ストライド)の広げ方」というものがあります。

多くの人は、歩くときに前ももの筋肉を使って歩く傾向があります。
しかし、身体のバランスを重視するのであれば、後ろの太ももをメインで使うようにすると、大きく骨盤を動かせます。

ポイントは、足をできるだけ前に出そうとせず、足の裏を見せるように歩くことです。
自然に足幅を広げていくイメージを持つとよいでしょう。

骨盤を動かし、歩く足幅を広げていくことで、効率よく歩けるようになって代謝も向上します。
代謝が上がると、膝を痛める副次的な要因となる「肥満」などを解消することにもつながり、膝にも本来かかるべき負荷がかかります。

意外に思われるかもしれませんが、膝の機能を改善するためには、ある程度の負荷をかける必要があります。
痛いからといって膝を使わない生活を続けていると、関節組織・軟骨組織の回復には結び付きません。

自分の足で正しく歩けるようになってこそ、変形性膝関節症の症状改善につながるのです。

おわりに

変形性膝関節症は、突発的に引き起こされる症状ではありません。
ちょっとした膝の違和感に気付いてから対処すれば、深刻なダメージを抱えずに済むことも、決して不可能な話ではありません。

加齢などを理由にせず、痛みが気になった段階で、一度専門家に判断してもらうことをおすすめします。

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