箕面で整体・骨盤矯正なら「健寿の森整体院」

坐骨神経痛解消の方法として、しばしば話題になるのが「温泉」です。

温泉の多くは、神経痛や肩こりなど、何らかの症状を改善する薬効を紹介しています。
過去には、TVCMなどで大々的に「○○に効く!」などと効果が宣伝されていた温泉がよく見られたものでした。

しかし、温泉で体感した効果は人それぞれであり、中には十分な効果を得られなかった・効かなかったという人もいます。
そして、何よりも重要なのは、温泉は坐骨神経痛の「根本的解決」にはつながらないということです。

今回は、温泉を坐骨神経痛の改善に用いる際のメリット・デメリット、温泉の選び方や根本的解決に向けた活用の心構えなどについてお伝えします。

温泉が坐骨神経痛の緩和にもたらすメリット

まずは、温泉が坐骨神経痛の緩和にどう貢献しているのか、メリットとなる面についてご紹介します。
温泉自体の薬効に注目したものだけでなく、温泉という環境に起因するメリットもあります。

症状が軽減される

誰にでも分かりやすいメリットとしては、人間の身体にとって適温の温泉につかることで、血行を促進する効果が挙げられます。
坐骨神経痛の原因は幅広いものの、筋肉・関節の状態に何らかの偏りが生じている場合が多く、そのような場合に血行促進で筋肉等の硬直が和らぎ、神経の圧迫状況が弱まる効果が期待できます。

また、浴槽が大きいことから、自宅の風呂よりも身体の自由が利きやすいというプラス面もあります。
足・腰を伸ばして入れるのは、温泉施設でしか味わえない特権の一つです。

坐骨神経痛以外の病気・体調不良にも効果が期待できる

温泉に体調回復を目的としてやって来る人は、当然ながら坐骨神経痛以外の病気で悩んでいると思われます。
その場合、温泉の成分によって症状が改善する場合があります。

坐骨神経痛は、どちらかというと温泉自体の温かさ・周囲の環境によって改善が促される症状です。
しかし、仮に糖尿病・リウマチなど、身体の使い方に直接の原因がない状況からの神経痛であれば、むしろ温泉の成分の方が重要になってきます。

温泉については、その効能の科学的分析が次第に進んできているため、今後メジャーな療法の一つになることが想定されます。
内臓系・皮膚系の症状に悩まされている人は、そちらと合わせて坐骨神経痛の軽減に温泉を用いるという方法が考えられるでしょう。

精神的なリラックス効果がある

腰痛にも言えることですが、坐骨神経痛など身体に痛みが発生する場合、少なからずストレスが関係しています。
そのため、精神的にリラックスできる状態・日常から離れた環境で入浴することにより、リフレッシュ・リラックスにつながっていきます。

本格的な湯治を行う場合、ほぼ完全に外界との接触を断ち、最低でも2週間は温泉につかる日々を送ります。
その分解毒作用も強まり、ホルモン分泌のバランスが取りやすくなります。

老舗の温泉旅館に宿泊すると、日本人のDNAが成せる業なのか、それだけでどこか心が安らぐものです。
普段の環境から離れることもまた、温泉が持つメリットと言えます。

温泉が坐骨神経痛にもたらすデメリット

次に、温泉が逆に坐骨神経痛の緩和を妨げる可能性につながる、デメリットをいくつかご紹介します。
冷静に考えれば「それはそうだろう」と考えられるものから、温泉の成分に関係するものまで、複数の理由があります。

患部に熱があれば悪化のリスクがある

坐骨神経痛が生じた際、患部が熱を帯びている場合があります。
この状況下では炎症が起こっているため、その状態で風呂に入ると、炎症が悪化したり熱で関節や周辺組織が破壊されてしまったりするおそれがあります。

もちろん、熱などの体調不良を放っておいて温泉に入ることは論外です。
炎症は氷で冷やして熱を取り、体調不良時は温泉に入らず、身体を休めることに集中しましょう。

有効成分が身体に合わない場合もある

温泉には数多くの種類があり、それらの有効成分が身体にどのような効果をもたらすのかについては、一概に説明できるものではありません。
また、本来はその人の身体に合っているものでも、体調によって問題になるケースは往々にして存在します。

以下に、代表的な温泉の禁忌についてお伝えします。

・病気の活動期(特に熱のあるとき)

・活動性の結核、進行した悪性腫瘍、または高度の貧血など身体衰弱の著しい場合

・少し動くと息苦しくなるような、重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気

・消化管出血、目に見える出血があるとき

・慢性の病気の急性増悪期

これらは多くの人に当てはまるものですが、皮膚に関するもので言えば、硫黄泉は繊細な肌を持っている人には逆効果になることがあります。
あるいは、ナトリウムイオン・カリウムイオンなど、一定の成分を身体に取り込むことで、持病が悪化してしまうケースもあります。

自分に合った有効成分の違いを踏まえた上で、温泉を利用することが大切です。

温泉が近場にないのに、無理をして交通機関を使うかどうか

自宅から歩いて通えないところに温泉がない状況で、無理をして交通機関を使って温泉に向かうべきかどうかは、その人の悩みの度合いと体調に左右されます。
ひざや腰・お尻が痛い中、どうしても無理をして温泉に行くことが、その人にとってプラスに働くのかどうかは疑問です。

特に、わざわざ遠距離バスや飛行機を使ってまで、名湯に足を運ぶべきかどうかは微妙なところです。
旅行等が趣味である場合を除き、わざわざ高いお金を出して有名温泉に入るくらいなら、近場の整体に通って正常な身体の動きを取り戻すよう施術を受けた方が、おそらく改善につながる可能性は高いでしょう。

知っておきたい温泉の泉質

温泉に関するメリット・デメリットが分かってきたところで、次に温泉の泉質について触れていきましょう。
全国の温泉施設で見られる、主な泉質をご紹介します。

泉質で改善度の高さを決めるというよりは、有効成分が身体に影響を及ぼすかどうか・自分の身体に合いそうかどうかを決めるための参考にするのが望ましいです。
その点で大丈夫なら、身体の使い方に由来する坐骨神経痛解消に用いるには、基本的にはどの泉質でも大差ないと考えておきましょう。

単純温泉(単純泉)

おそらく、日本では最も多く見られる泉質です。
温度が25℃以上のもので、含有成分が温泉法に定められた基準未満のものを指します。

無色無臭で、含有成分も少ないことから、刺激が弱い分身体に優しく効いてくれることが期待されます。
適応症としては、自律神経の働きの改善、不眠・うつといった状態の改善などが挙げられます。

塩化物泉

お湯の中に含まれている塩分が多いという特徴があります。
そのため、湯冷めしにくく、殺菌作用による外傷回復への効能などが期待できます。

適応症としては、切り傷・末梢循環障害・冷え性・うつ状態・皮膚乾燥症などの改善が挙げられます。
その他、保温効果が高いため、冬場の寒さをこらえるのにも有効です。

炭酸水素塩泉

俗に「美肌の湯」と言われることが多い泉質です。
肌の角質・毛穴の汚れを乳化して洗い流す「クレンジング効果」があり、皮膚を滑らかにしてくれます。

不要な角質を取ってしまえば、入浴後に皮膚からの水分発散が始まり、体温が放散されるていきます。
「お風呂は汗をかくから苦手」と考えている人には、相性のよい泉質です。

ただし、肌が乾燥することもありますから、保湿ケアも同時に怠らないようにしたいものです。
適応症は、切り傷・末梢循環障害・冷え性・皮膚乾燥症などです。

硫酸塩泉

「硫酸」という名称が含まれていることから、何か危険なものに感じられるかもしれませんが、当然ながら肌を強烈に溶かすようなことはありません。
特徴としては、塩化物泉・炭酸水素塩泉という、2つの泉質が持つそれぞれの効能を重ね持っています。

塩化物泉と同様、温泉成分が肌に付着することで、保温・保湿効果が期待できます。
そして、炭酸水素塩泉と同様、入浴後には肌が乾燥することがあるので、保湿ケアが重要になってきます。

適応症は、塩化物泉・炭酸水素塩泉とほぼ同様です。

放射線泉

こちらもやや危険な香りのする名称ですが、被ばくのおそれがあるわけではありません。
銭湯などで用いられる「ラドン」が含まれている温泉や、ラジウムが含まれている温泉を指します。

ほとんど無色透明という特徴を持っていて、糖尿病・循環器障害・高血圧などにも効能があると説明されることが多い泉質です。
また、尿の排泄を促進させる効果があり、俗に「万病の湯」・「痛風の湯」といった名称で呼ばれます。

その他、適応症としては、高尿酸血症(痛風)・関節リウマチ・強直性脊椎炎などが該当します。
ある意味、坐骨神経痛以外に持病がある人向けの温泉です。

温泉の選び方や注意点・根本改善に必要な心構え

上記泉質について知ったところで、実際にどう温泉を選ぶべきか、その選び方の基準や注意点についてご説明します。
また、温泉だけでは坐骨神経痛は根本的解決は難しいという、当院が考える基本的な考え方についてもご紹介します。

自分に合った泉質を選ぶ

坐骨神経痛に効果があるものを特に選ぶなら、温泉よりもむしろ「薬湯」を選んだほうがよいのかもしれません。
漢方などが配合されている本格的なものなら、症状の緩和に役立つ可能性は高いからです。

しかし、それでもなお温泉を選ぶべきなのは、自然由来の成分を薬という形にまで加工していないことから、身体に無理をかけるリスクが少ないと考えられるからです。
泉質の特性を理解し、禁忌に触れていないことを確認したら、自分の身体が許す範囲で入浴を楽しみましょう。

適切な温度を選ぶ

温泉に入る際、坐骨神経痛の改善を考えるなら、やはり温度の問題は避けて取れません。
41℃を超えると身体に熱がこもり、かえって炎症に悪影響を及ぼす可能性があります。

適温としては、38~40℃の間のお湯を選ぶことが求められます。
ただし、坐骨神経痛の症状緩和を狙うなら、長湯はしないように気を付けましょう。

そもそも、温泉だけで坐骨神経痛を解決するのは難しい

根本的解決を目指すのであれば、残念ながら温泉だけでは難しい一面があります。
自然治癒力の回復にはつながるかもしれませんが、坐骨神経痛が関節・筋肉に問題があって生じているのなら、まずはそちらを解決することが先決だからです。

そもそも、坐骨神経痛に温泉がいい、という意見は、現代医学で坐骨神経痛の根本的な改善法が確立していないところに一因があります。
整形外科に足を運んでも症状が改善しなかったという人が、整体に足を運ぶお客様の圧倒的多数派なわけですから、言わずもがなという状況です。

原因の究明は、筋肉・関節の動きを全身レベルでまんべんなくチェックした上で、何らかの施術を受けなければ難しいものです。
何でもそうですが、一辺倒になるのはかえって改善を妨げるものと覚えておきましょう。

おわりに

余談ですが、箕面にも「箕面温泉」がありますよね。
あちらの泉質は「ナトリウム/炭酸水素塩・塩化物泉」となっています。

効能として神経痛をうたっているため、施術を受けた後、改善に向けてのプランが固まったら、リフレッシュのつもりでつかってみてはいかがでしょうか。
ときどき休憩をはさむのも、体調の回復には大切ですよ。

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