箕面で整体・骨盤矯正なら「健寿の森整体院」

脊柱管狭窄症の原因は複数あり、腰部の問題に端を発する腰痛や、長年の姿勢の悪さからくる神経圧迫など、人それぞれに原因があります。
そのため、一律・部分的に問題を判別し、西洋医学の概念による投薬・手術などで解決しようとすると、どこかに新たな問題が生じるものです。

とはいえ、日本の医学においても柔軟な考え方は取り入れられており、漢方薬の臨床についても研究がなされています。
整体院の立場からすると、やはり根本的な改善は身体の中から行わなければならないと考えていますが、補完的に使える部分はあるかもしれないと思いますので、医師から何らかの形で処方されているなら、服用を考えてもよいのかもしれません。

今回は、整体からはやや離れたテーマになりますが、脊柱管狭窄症に用いる漢方薬と効果の違い・限界となるであろう部分についてお伝えします。
市販の漢方薬だけで痛みを和らげようと考えている人は、まず一度お読みください。

そもそも、脊柱管狭窄症に漢方は有効なのかどうか

実際に生薬・漢方等の説明に入る前に、そもそも論として「脊柱管狭窄症に漢方は有効なのかどうか」について考えてみましょう。
結論から言うと、自覚症状の改善につながったという声は聞かれるものの、薬の種類が幅広いこともあって、一口に有効だとは言えないようです。

漢方を使った回復のアプローチというのは、身体の使い方に起因する方法ではなく、体内の水分・血流といったものをコントロールするというアプローチです。
血流をよくして身体を温めたり、尿を出して体液のめぐりを改善したりといった方法になります。

よって、筋肉・関節の動きに応じて対策を考える・判断するという向きではなく、実際に痛みやしびれなどの症状が現れてから、症状を改善するために処方します。
身体全体の動きを確認して調子を整え、そこから問題のある部位の歪みを直していく整体とは、アプローチの種類が違うと言えるでしょう。

単純に痛み・しびれなどの症状を抑えるだけであれば、軽度の状況ならそのまま改善し、いつのまにか歪みも取れて健康になるといったケースはゼロとは言い切れません。
しかし、多くの場合は身体の使い方・負荷のかけ方に問題があるため、結局症状が強まれば、身体のどこかに手を加えなければならなくなります。

このことから、漢方が有効に働く場合もあれば、漢方では対処できなくなる場合もあるといえます。
いずれかに固執するのではなく、それぞれのよいところを柔軟に取り入れた方がよいでしょう。

こんなにある!脊柱管狭窄症の症状改善に用いられる漢方

医療機関で治療を受けていると、漢方の処方箋をもらう場合があります。
この場合、服用時に効能を説明してくれたり、説明書きをもらえたりするため、それほど悩まずに服用できるでしょう。

現代では、インターネットによって情報を得ることができるため、自分で調べて体調に合うものを選ぼうと考える人もいるかもしれません。
しかし、素人目に薬を探すのは、症状を悪化させるおそれがあります。

今回は、漢方と一口に言っても、症状に応じた数多くの薬があることをご紹介します。
これだけの薬の中から自分に合ったものを探すのは、多くの人にとって難しいはずですから、あくまでも参考資料としてのご紹介にとどめています。

くれぐれも、以下の情報を基に自分で処方することは考えないようにしてくださいね。

八味地黄丸(はちみじおうがん)

腎機能の改善に用いられることが多い漢方ですが、脊柱管狭窄症(馬尾型)によって排泄障害が起こっている場合に、処方されることがあるようです。
軽度であれば気にならないでしょうが、症状が悪化すると、夜トイレに行きたくなる・頻尿・尿もれなど尿に関する問題が起こり、その後は疲労・目のかすみなどに発展します。

身体を温める作用があり、身体全体の機能を元に戻す効果が期待できます。
具体的には、頻尿・尿漏れ・残尿感などの改善に用いられます。

牛車腎気丸(ごしゃじんじきがん)

こちらも冷え対策に用いられる漢方薬の一つで、手足を動かすと痛みをもよおし、休んだら楽になる人に処方されることがあります。
身体が温まり、余分な水分の排出を助けてくれます。

また、筋肉・骨に栄養分を与えて、腰痛・下肢のむくみの軽減にも働いてくれます。

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

比較的体力に自信のない人にも用いられ、胃腸が弱い人向けの漢方薬です。
関節痛・神経痛の軽減に用いられます。

冷えが原因になるものも含め、手足のしびれ・こわばり対策として用いられることもあります。

桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)

こちらも、熱をつくって冷えを追い出すことを目的とした漢方薬です。
体を温めて、神経痛・関節痛を改善する効果が期待できます。

「温めると楽になる」場合は効果があるとされていますが、当院では痛みの原因が炎症にある場合、冷やして炎症を取り除くのが先です。

疎経活血湯(そけいかっけつとう)

刺すような痛みがある場合に用いられ、日中よりも夜間に強い痛みを感じる場合に使われます。
体内の血行・水分の循環によく働き、痛みを発散する目的で服用します。

多少なりとも体力がある人向けで、関節痛・神経痛のほか、腰痛・筋肉痛に用います。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

末梢部分の循環が悪く、手足が特に冷える人向けに処方されることが多く、広く効果が認められているものの一つです。
血流改善作用・冷えの改善という効果が期待できながら、副作用が認められない点で優秀とされています。

歩行能力の改善にも効果が期待でき、汗をかきにくい人にも用いられます。

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)

炎症が発生している状況で用いられる漢方薬の一つで、関節が熱を持った状態ではれている場合・それを冷やそうとして関節液がたまっているような場合に用いられます。
具体的には、関節の腫れ・痛みが見られる場合や、関節炎などといった状況で用いられる形です。

こちらも、当院では冷やすことが先決となりますが、他の医療機関で処方されたものを妨げるわけではありません。

麻黄湯(まおうとう)

発汗作用のある漢方薬です。
方向性としては、熱や痛みを発散させるタイプと考えられます。

副作用が報告されているケースも少なくなく、汗をかきすぎたり身体がだるくなったりする人がいることから、処方された量以上の服用は控えるべきでしょう。

麻杏ヨッ甘湯(まきょうよっかんとう)

比較的、痛みの度合いが激しい場合に用いられます。
関節痛・神経痛・いぼ・手足の荒れといった症状の緩和にも使われます。

脊柱管狭窄症においては、炎症の鎮静化・関節の腫れ・痛みの緩和にむけた働きが期待できます。

五苓散(ごれいさん)

本来は、身体の中にある余分な水分を取り除くための漢方薬です。
具体的な症状として、嘔吐・下痢・むくみといった症状の改善に用いられます。

脊柱管狭窄症への対応としては、しびれの改善に用いられます。
そのほか、めまい・頭痛への適応も期待できます。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

こちらは、多くは血行不良からなる生理痛・生理不順の改善に用いられるものです。
しかし、脊柱管狭窄症の治療で神経ブロックを用いて効かなかった人が、桂枝茯苓丸を服用して日常生活に支障がないところまで回復したという報告もあり、使い方によっては症状改善が見込めるものと推察されます。

ヨク苡仁湯(よくいにんとう)

水分と痛みの排出に役立ちます。
熱を持った関節痛・筋肉痛・神経痛に用いられます。

そのほか、関節リウマチにも使われることがあります。

漢方薬でできないことを、整体では行っている

ここまで、数多くの漢方薬の種類について、その概要をご紹介してきました。
概ね共通しているのは、身体の中の巡りをよくすることで、血流改善によって体温を上昇させたり、余分な水分を除去したりして、最終的に体調の改善・炎症の除去につなげる効果です。

もちろん、炎症は早めに取り除かなければ、当院でも施術ができませんから、病院で痛み・炎症を取り除くのに処方されたとしたら、必要に応じて服用すべきと言えます。
しかし、これらの方法は、そもそも脊柱管狭窄症が起こった「根本的な原因」には触れられていません。

健寿の森では、脊柱管狭窄症を根本から改善するには、以下の流れをたどることが必須と考えています。
以下に、主な流れをご紹介します。

カウンセリングは避けて通れない

脊柱管狭窄症の原因は、一つではありません。
身体が複雑なバランスを保ちながら一つにまとまっているわけですから、痛みがある部分だけをケアしたとしても、また同じように悪さをしてしまうかもしれません。

椎間板に原因があるのか。
関節に問題があるのか。
骨折・脱臼などしていないか。

一つひとつ、その人が積み重ねてきたものを辿り、最終的に原因を特定していきます。
人によっては、数年前の原因が悪さをしていることもあるのです。

医療機関で受けた説明を検証する

当院にやって来た方の中には、自分の身体が痛みを覚えている理由について、加齢が原因だと半ばあきらめの気持ちを持っている方もいます。
実際に、多くの医療機関では、加齢による脊柱管の狭窄が痛みを生じさせているものと考えますが、これは正しい認識ではありません。

レントゲンをとってみて、痛みの原因が分かるケースもありますが、それが間違いである可能性も十分あります。
特に、神経圧迫による痛みについての説明は、人によっては真逆の原因(神経線維の引き延ばし)で痛みが生じていることもあり、一概に判断できるものではありません。

当院では、完成形となる「正しい歩き方」のイメージから身体を改善していくため、木だけを見て森を見ないような施術は行いません。
要因を身体全体から見極めた後、狭くなった部分を自らの身体で修復する力を身につけてもらいます。

その人に合ったエクササイズを

身体を正常に保つには、一定の負荷が必要になります。
体調が悪いからといって歩くのを止めてしまうと、筋肉がどんどん衰えていきます。

筋肉・関節・骨といった部位は、身体を動かさなければ、かえってもろくなっていきます。
日光を浴びなければビタミンDが生成できないように、身体にはきちんと重力による適度な負荷をかけなければならないのです。

当院では、トランポリンを使った歩行訓練や、身体をスムーズに動かすためのスクワットなど、症状に合わせたエクササイズを紹介しています。
漢方が症状に合わせた服用を必要とするように、身体にとって必要な負荷を効率よくかけられるよう、エクササイズを考えています。

おわりに

漢方薬は、処方される薬の中では、身体全体の機能を考慮して処方されている部類の薬です。
しかし、服用後に身体の使い方を変える機能はなく、やはり自力で正しい身体の使い方を覚えなければなりません。

症状改善に向けて処方されたものを止める必要はありませんが、根本的な解決を考える以上、痛みを伴っても身体を動かすことが大切です。
漢方薬を服用し、次第に効き目が薄らいでいるように感じている方は、ぜひ一度お越しください。

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