箕面で整体・骨盤矯正なら「健寿の森整体院」

「あっ……やっちゃった……。」

たった一つのくしゃみが、腰の激痛を生んでしまった経験はありませんか?
当院にもぎっくり腰で来院される方は少なくありませんが、当座の対処法を誤ると、かえって症状が悪化してしまう可能性があります。

ぎっくり腰は、その原因を一概にまとめて考えることは難しいものです。
腰に疲れがたまっていたこと、重いものを急に持ったことで関節がずれてしまったこと、不完全な脱臼を起こして関節の周囲に炎症が起こったことなど、本当に原因は様々です。

しかし、症状が引き起こされたとき、初動としてとるべき行動は基本的に同じです。
それは「炎症を抑える」ことと、くしゃみなどの大きな衝撃を引き起こす事態に対処することです。

炎症が速やかに抑えられれば、その後の対応も早くなります。
また、腰に負荷がかかる状況を極力避けることで、痛みを和らげることにもつながります。

今回は、ぎっくり腰がくしゃみによって引き起こされる原因を紐解きつつ、痛みが長引いているときに考えられる症状について触れていきます。
また、痛みを緩和するために行う、当院で行っているアイシングの方法についてもご紹介します。

ぎっくり腰が起こる原因を、あらためて考察してみる

ぎっくり腰が起こる状況を考えてみると、多くの方が、

「急な動作によって腰を痛めてしまう」

ケースを想定すると思います。

これは正しい考察ですが、それだけではぎっくり腰が起こる理由としてやや不十分です。
そこで、より掘り下げてぎっくり腰になる原因を紹介したいと思います。

基本的な考え方は「腰の捻挫」

ぎっくり腰が生じる理由は複数ありますが、基本的には「腰が捻挫(ねんざ)した」状態を想像すると分かりやすいでしょう。
腰に何らかの力がかかった際に、背骨の上骨・下骨をつなぐ「椎間関節」の周囲にある靭帯が引き伸ばされ、その結果捻挫が生じたものです。

普段の可動域や負荷であれば症状が発生しなかったものが、今まで経験のない負荷がかかったり、いつもより深く腰をかがめたりしたことで、腰が正常に反応できなかったことが原因です。

具体的には、重いものを持ち上げたとき、身体をふとした瞬間にひねったり曲げたりしたときが該当します。
ひどいときは、お尻・太ももにさえ痛みが生じます。

捻挫という表現が当てはまるのは、症状が起こった際に、腰を思うように動かせなくなるからです。
足首を捻挫したときも、びっこを引いて歩くわけですが、これが腰になると足首よりもはるかに広い範囲に影響を及ぼすため、大事に至ってしまうのです。

くしゃみでぎっくり腰が引き起こされる理由とは

ぎっくり腰が腰の捻挫だとしたら、やはりそれ相応に強い・異質な衝撃がかかったからこそ、捻挫が引き起こされたことになります。
しかし、くしゃみは一見するとそれほど身体に負担をかけているとは思えません。

個人差はありますが、くしゃみが起こるのはほんの一瞬で、繰り返されたとしても数回でおさまります。
にもかかわらず、どうして腰の痛みを引き起こしたり、ぎっくり腰を起こしたりするのでしょうか。

実は、くしゃみは非常に身体に負担をかける生理現象なのです。

そもそも、くしゃみをするのは身体にとって害毒となる物質を体外へ吹き飛ばすためです。
身体に何らかの刺激を与える物質を外に出すわけですから、それ相応の力がかかりますし、くしゃみ自体のスピードも速いものです。

一瞬のことなので多くの人が意識せずに終わる生理現象ですが、そのスピードを時速に換算するとおよそ「時速320km」と言われています。
骨が弱い人は、くしゃみ一つで骨折してしまうこともあるほど、くしゃみは甚大な威力を持っていると言えるでしょう。

ちなみに、骨が弱い方は、くしゃみによる脊椎圧迫骨折の危険もあります。
背骨が骨折によって、押しつぶされたかのように変形してしまうという特徴があります。
痛みを感じずにいつの間にか骨折していたという場合もありますから、注意が必要です。

痛みをごまかして無理をすると、より深刻な症状を引き起こすリスクも

痛みが発症した段階で、無理をせずに適切な処置を施せば、予後は良好です。
しかし、多くの人が対症療法で終わってしまい、根本的な改善策を講じずに終わります。

特に、飲み薬でぎっくり腰が改善されると思っている人は多いようですが、これは痛みを抑えているだけであって、痛みが生じた原因には何一つアプローチをかけていない状況なのです。

仮に、くしゃみをしたときに腰に響くような痛みがあった場合は、椎間板ヘルニアにまで病状が発展している可能性もあります。

椎間板ヘルニアになると神経が炎症を起こし、坐骨神経痛を発症します。
神経を圧迫する圧が強ければ、しびれや筋力低下・麻痺にまで症状が進行していきますから、早めの対応が肝心です。

腰の痛みを軽減するためにできること

ぎっくり腰に代表される急な腰の痛みについて、引き起こさない・もしくは軽減するためのアプローチはいくつか存在します。

くしゃみなどの急な症状を極力抑えるにはどうするか。
万一くしゃみをしたときに衝撃をどう逃がすか。
ぎっくり腰になってしまったときにどう対応するか。

以下に、それぞれの対処法についてご紹介します。

くしゃみを極力抑えたいと思うなら、どうして引き起こされるのかを知る

一般的に、くしゃみが出るような状況というのは、ある程度想像できそうなものです。
風邪やアレルギーといった原因が代表的なものでしょう。

しかし、少し掘り下げてみると、明らかに風邪が原因という場合もあれば、花粉症やアレルギー性鼻炎と混じっていたり、自律神経が問題だったりすることもあります。
気温の変化に伴う寒暖差アレルギーや、起床時に自律神経のバランスが乱れることで起こる「モーニングアタック」など、考えられる症状は決して1つではありません。

自分が普段どんな状況でくしゃみをしているのかを想像し、寒さが問題なら身体を温め、アレルギーならアレルゲンを特定して、くしゃみが起こる状況を事前にシャットアウトしましょう。

くしゃみによる衝撃は、ちょっとした意識で逃がせる

くしゃみが急に出てしまうときは、誰しも身体が無防備になりがちです。
しかし、ちょっとした心がけだけで、衝撃を分散することができます。

基本となるのは「手をつく」という動作で、立っているときはテーブルに、座っているときはひざに手をついて、くしゃみをしたときの衝撃を緩和します。
ある程度身体に響いてしまうのは避けられないものの、腰だけに負担がかからないため、ぎっくり腰が起こるリスクを減らせます。

それでもぎっくり腰になってしまったら

いくら気を付けていても、ふとしたことで腰に強い衝撃がかかってしまうことはあります。
激痛が走ってしまったら、できる限り早い段階でつらい症状を緩和する方向に動きましょう。

健寿の森では、痛みの原因として起こる炎症を「熱」としてとらえます。
つまり、炎症である熱を冷ましてやれば、回復が早まると考えるのです。
まずは炎症を冷まし、それから本格的なケアを試みます。

とはいえ、その冷やし方には工夫が必要です。
感覚的な「冷え」ではなく、文字通り本当に患部を「冷やす」ためには、非常に原始的な方法で熱を取ります。
具体的には、湿布は使わずに「氷のう」を使います。

湿布と氷のうとの違いを理解するには、やかんの熱を想定すると分かりやすいでしょう。
氷のうを使えばやかんの熱は冷ませますが、湿布では冷ませません。
これは、氷が溶ける際に熱を奪っていることの証拠でもあります。

湿布を貼って冷えを感じるメカニズムは、自然界のそれとは違い、皮膚の冷感点を刺激するというものです。
あくまでも感覚に訴えて冷感を及ぼしているに過ぎず、実際に身体の熱を冷ましているわけではありません。
ハッカに含まれるメント―ルは、人間が冷たいと感じる神経を刺激しているだけで、熱を奪っているわけではないのです。

氷のうを使った患部の冷まし方は簡単です。
まずは氷のうを用意し、氷・水をいれたら、空気を抜いてふたを閉めます。
そして、身体全体が冷え切らないような環境で、患部に当てて冷まします。

このとき、保冷剤を当てて冷まそうと考える人もいるかもしれませんが、保冷剤は氷よりも温度が低く、凍傷になるおそれもありますから、患部のケアには氷のうを使いましょう。

痛みが長続きする場合は、くしゃみが原因ではない可能性もある

くしゃみによってぎっくり腰になってしまった場合、激しい痛みはおよそ2~3日でおさまることがほとんどです。
痛みが和らいだところで、筋肉・靭帯・関節などへのアプローチを試みます。

しかし、いつまで経っても痛みがおさまらず、姿勢に無関係な痛みが発生している場合は、別の理由を考える必要があります。

内臓に原因がある腰痛

ぎっくり腰を経験したことのない人であれば、当然体感としてぎっくり腰の痛みがどのようなものかは分からないでしょう。
そのため、たまたま腰をかがめたタイミングで痛みを発症し、その後痛みが姿勢にかかわらず続いているようなら、内臓に原因がある可能性があります。

尿路結石は背中や腰に痛みを発症し、深夜・早朝に激痛が走ります。
胆石なども背中から上半身にかけて痛みを発症するため、経験がなければぎっくり腰を疑う人もいるようです。
女性に多いのは腎盂腎炎で、高熱とともに腰・背中に重い痛みを伴います。

しかし、これらの症状は病院で診てもらった際に比較的発覚しやすいため、勘違いし続けるケースは少ないでしょう。

重篤な症状は単なる腰痛では済まない

大動脈に何らかの異常を認める症状だった場合は、単なる腰痛では済みません。
大動脈解離や腹部大動脈瘤などの症状は、熱い釘を突きさすような痛みが胸・腰・背中に広がるというもので、放っておくことは難しい痛みです。

また、転倒などの物理的な原因に心当たりがないにもかかわらず、発熱・腰痛がひどくなり、起きていても横になっていても激しい痛みが続くようなら、それは化膿性脊椎炎かもしれません。
診断しにくい症状の一つであり、MRI検査を受ける際にはあらかじめ化膿性脊椎炎を疑わないと、なかなか見つけにくいと言われています。

他には、がんが骨に移転している可能性もあり、こちらも日に日に痛みが強くなっていきます。
下肢の麻痺・排尿困難などの症状にもつながっていくため、単なる腰痛とは違うと自分で感じたら、早めに医療機関へ足を運ぶことをおすすめします。

おわりに

腰痛は、その症状だけでどのような不調・怪我・病気なのかを特定することが、なかなか難しいものです。
それだけに、自己判断で処置を施すのは、今後の体調悪化につながるおそれがあります。

くしゃみはあくまでもきっかけの一種に過ぎず、それによってぎっくり腰が引き起こされたのだとしたら、それは今までの生活習慣や過去の無理に原因があるのかもしれません。
また、ぎっくり腰が腰痛のきっかけであったとしても、もともと内臓に疾患があって、その症状により腰痛が悪化していたのなら、単純に腰の炎症だけの話ではおさまらなくなります。

いずれにせよ、腰に不安を感じた段階で、専門機関への相談は欠かせません。
くれぐれも、自分だけで解決しようとせず、専門家の経験・知恵を頼るようにしてくださいね。

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