箕面で整体・骨盤矯正なら「健寿の森整体院」

坐骨神経痛やぎっくり腰など、身体の強い・急な痛みに対しては、しばしば議論として取り扱われてきた議題があります。

それは、身体に痛みを感じたときに取るべき対処法は、患部を「冷やすべき」なのか、それとも「温めるべき」なのかという問題です。

整形外科や鍼灸院・接骨院でも症状に応じて意見が分かれるため、これといった回答こそないものの、ある程度明確な線引きは存在します。
今回は、当院の見解も含めつつ、患部を冷やすべきか、それとも温めるべきかについて、いくつかの意見をまとめてみました。

一般的に言われている、坐骨神経痛への見解

最初に、坐骨神経痛について、一般的に言われている見解をまとめました。
当院の考えとは異なる部分が多いものの、違いを説明する上で必要であると考えますので、先にご説明します。

冷やすべき状況

まずは、坐骨神経痛における「冷やすべき状況」についてです。
これは多くの施設で見解が共通していて、痛みが始まったばかりの「ズキズキ」している時期が該当します。

この時期は、ちょうど炎症が起こっている状況であり、特に、関節部の発赤・腫脹・疼痛、灼熱感といった症状がみられる場合は、冷やすことで症状が軽減する傾向があります。

しかし、これは坐骨神経痛というよりも、どちらかというと捻挫やぎっくり腰といった「急激な痛み」を伴う症状に当てはまるため、必ずしも坐骨神経痛に当てはまる症状とは言い切れない部分があります。

温めるべき状況

これに対して「温めるべき状況」は、ある程度症状が慢性化してきた状況が該当します。
痛みがある程度弱まってきてから、急激な痛みが発生するのを避け、筋肉・周辺組織を柔らかくすることが目的です。

また、疼痛が続く場合、かえって冷えが症状を悪化させるケースもあることから、単純に冷えを避けることを意味する場合もあります。

こちらも、温めれば万事OKというわけではなく、やはり痛みの度合いや痛む箇所・症状によって対応は異なります。
坐骨神経痛と一口に言っても、その意味するところは非常に深いのです。

坐骨神経痛への対処法としてよく聞かれること

続いては、坐骨神経痛の対処法として、一般的によく聞かれる内容についてご紹介します。
こちらも、全てが正しいわけでも間違っているわけでもなく、状況に応じて対応が異なる点に注意が必要です。

冷やす場合は早急に

まず、冷やす場合についてです。
痛み・熱を持っている場所を冷やす場合、できる限り早急に対応します。

痛みと同時に熱を発症しているのは、炎症を引き起こすことによって、ダメージを早期に回復させることを目的としているためです。
人間の身体にとって炎症が起こること自体は必要なことであり、異物や死んでしまった自分の細胞を排除し、人間がいつも通り動けるようにしてくれる仕組みの一つです。

しかし、炎症が発生している状況では強い痛みを伴い、行動が制限されます。
また、炎症によって発生する熱のために、関節などの部位が変性してしまい、もともとの形状から姿形を変えてしまう場合もあります。

痛みを取り除き、回復を早めるためにも、氷のうで熱を奪うことが大切です。
ただし、慢性的な痛みの場合は、冷やすだけで症状が劇的に改善することはないと考えておきましょう。

温める場合は持続的に

問題の部位を温める場合は、寒さによって引き起こされる痛みを防ぐため、持続的に対処する必要があります。
坐骨神経痛は神経痛の一種であり、気温が下がることで痛みが増す場合もあります。

そもそも、神経痛が雨の日や寒い時期に多くなるのは、身体が冷えるため血管が収縮し、神経を圧迫することが少なからず関係しています。
そのため、血流を改善して痛みをやわらげる目的で、身体を温める方法がとられます。

湯船につかったり、寒い時期にレッグウォーマーなどを使って足首・ふくらはぎを保護したり、レギンス・タイツを履いて下半身を冷やさないようにしたりと、できるだけ持続的に身体を温める習慣を取り入れることが大切とされています。
こちらも、根本的解決を図ることが目的ではなく、痛みをやわらげるための対処法の一つと考えておきたいところです。

湿布の効果は気休め程度

ある部位を温めたり、冷やしたりする場合に用いられるのが「湿布」です。
医療機関でも処方されるものですが、坐骨神経痛への対処法としては、あまり有効とは言えません。

湿布そのものについて言えば、皮膚に働きかけ、暖かさ・冷たさを感じさせるための薬効があり、痛み止めの成分が含まれているものもあります。
すなわち、炎症の痛みを和らげたり熱感を減らしたりする効果を持ってはいるものの、身体から熱そのものを奪うために用いられるわけではありません。

よって、医療機関や整体院によっては(当院もそうですが)、気休め程度の効果しかないものと評価することは珍しくなく、温湿布・冷湿布ともに効果は限定的と言えるでしょう。

当院で考える、坐骨神経痛の原因

続いては、坐骨神経痛の原因について、当院ではどのように考えているのかご紹介します。
坐骨神経痛は、あくまでも症状の一種に過ぎないため、その奥には何らかの理由が隠れているのです。

いつ、どのように痛みが生じるのかを基準に考える

坐骨神経痛は、慢性的な痛みこそあるものの、何らかの動作がきっかけになって痛みを生じることがほとんどです。
よって、いつ、どのように痛みが生じるかによって、何が痛みを引き起こしている理由となるのかが分かります。

代表的なものの一つが椎間板ヘルニアで、前屈をして痛みが発生します。
これは、坐骨神経の付け根が圧迫され、痛みが起こるタイプの神経痛になります。

脊柱管狭窄症の場合は、長い時間歩くことはできないものの、休み休み歩くことはできるという人が多いです。
また、自転車に乗る分には問題なく、前かがみになった方が楽になるという特徴があります。

このように、坐骨神経痛の痛みというのは人によって個人差があることから、一概に症状を説明できない難しさがあります。

筋肉の部位が関係する坐骨神経痛

筋肉の部位に起因する痛みの場合は、より細かく分類できます。
大きく分けると、大腰筋・梨状筋のいずれかが原因で、坐骨神経痛を覚えるケースが多いです。

腰痛がスタートにあるなら大腰筋、臀部や太もも裏面に痛みがあるなら梨状筋に問題があると考えられます。
また、当然ながらそれぞれで痛みの性質も違います。

大腰筋性坐骨神経痛の場合は、そもそも過去に思い当たる節がある人が多く、慢性的な腰痛を抱えていたり、ぎっくり腰を数回起こしていたりします。
仰向けがつらかったり、くしゃみが腰から足にまで響くほどに痛いのも、このケースの特徴です。

梨状筋性坐骨神経痛の場合は、身体を前屈させると痛みが強まり、どちらかというと座位の方が辛く感じます。
また、痛む側を上にして横向きに寝ると、その分痛みが増すという特徴もあります。

仙腸関節も関係する痛み

坐骨神経痛は、関節の障害に起因する痛みにも適用される症状です。
正常な歩行ができない状況が数年続いた場合は、仙腸関節の障害も疑われます。

もともと仙腸関節・骨盤に問題が起こるというよりは、過去に捻挫・骨折を経験したことにより、正常な歩行が妨げられたことに起因する症状が多いようです。
歩行時に仙腸関節は支点となることから、正常なバランスを取ろうとした結果、本来の働きを失い痛みを発症するケースが該当します。

健寿の森における、施術に関する基本的なスタンス

坐骨神経痛は、一瞬の「痛み」だけを止めれば解決する問題ではありません。
健寿の森での施術についても、総合的に身体を診てから、適切な方法を判断していきます。

【坐骨神経痛=炎症】だけという判断は誤り

今回のテーマである、坐骨神経痛を冷やすのか、それとも温めるのかという問題については、当院ではそもそも論点が違うという理解です。
というのも、坐骨神経痛は一概に冷やせばいいという話ではありませんし、炎症を単純に抑えるだけが解決法でもありません。

あくまでも、痛みの元に炎症があった場合に、その熱を取ることを目的に冷やすのであって、坐骨神経痛の原因を解消するには施術が必要になります。
この点を誤解しないことが、早期解決には重要です。

やはり全身を診てからの施術が基本

当院における一連の施術の流れとしては、圧迫されている部位の除圧がスタートになります。
腰部脊柱管狭窄症・腰椎椎間板ヘルニアなどは、圧迫されている部位の圧を軽くしてあげることで、症状の軽減につながります。

より早期に痛みをやわらげるためには、鍼(はり)を使って血流の改善につなげていきます。
手では届かない部分にアプローチをかけるので、その分改善が早まるのが特徴です。

筋肉の部位を緩めるだけでは、総合的な改善は見込めないため、根幹となる仙腸関節の動きも改善を試みます。
イメージとしては、一か所に集中していた負担を分散するための施術になります。

最後に、関節が正しく動くような動作を再教育することで、人間の身体本来の形状に戻していきます。
部分的な冷却だけに目を奪われず、身体全体を再構築することこそ、根本的な解決には大切なことなのです。

冷やすということは、温度を下げることである

最後に、炎症を抑えるために患部を冷やすということについて、もう少し踏み込んでいきましょう。
身体を冷やすということは、すなわち温度を下げるということであり、湿布のように「冷たく感じる」だけでは不十分です。

よって、当院では「氷のう」を使ったアイシングを推奨しており、熱を奪う仕組みを重要視しています。
氷と水を入れ、空気を抜いてふたを閉め、寒さを感じない程度に必要な箇所に当てます。

炎症を早めに解消するためには、熱を奪うことが大切です。
坐骨神経痛の根本解決と急激な痛みの解消とは、分けて考えるものと押さえておきましょう。

おわりに

坐骨神経痛の痛みは、単純に冷やしたり、温めたりするだけで解消する類のものではありません。
冷やす場合は、あくまでも炎症を抑えるための手段として、温める場合は、寒さによる痛みを緩和する手段として考えます。

多面的に原因をとらえた上で、適切な対処法を講じることが大切です。
症状を改善するためには、我流ではなく、専門家の指示の下で対処しましょう。

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